初出場の皆川博恵(33=クリナップ)が、準決勝で元世界女王のドイツ選手に1-3で敗れ、3位決定戦に回った。「試合が始まって組んだ瞬間にいけるかなという思いはあったけど、点数を取り切れなかった。後手後手にまわってしまった」と反省した。

04年アテネ五輪での女子の採用以降、最重量級は04年アテネ、08年北京の浜口京子の銅が最高位。偉大な先輩に並ぶため、2日の3位決定戦に向けて「さっきの試合の最後みたいに、前に出て攻めていきたいと思います。最重量級は最近メダルを取れていないので、私がメダルを取ってそういう流れを断ち切りたい」と意気込んだ。

16年リオデジャネイロ五輪の代表争いで破れ、心は引退に傾いた。そんな時、父秀知さんのひと言が刺さった。「1番良いのは一生懸命やって勝つことで、次は一生懸命やって負けること」。NHK朝の連続テレビ小説のせりふで、何げなく伝えられたという。

15年に娘の海外試合に行くために取得したパスポート。ブラジル行きがかなわず、家族は「せっかくだから、ハワイでも行こうか」と話題になった時、父が「このパスポートは試合を見に行くためだ」とこぼしたとも聞いた。

「続けてほしいのかな」。ひとまず、周囲の意もくみながら出場した17年世界選手権で銅メダル。強敵が欠場する中での初メダルだったが、これが前に進むきっかけになった。「こうやってまた頑張ってるんだから、思い切りやればいいやと」といまにつながった。

3位決定戦は2日。メダル量産の期待がかかる女子の先鋒(せんぽう)として、最年長として、結果を出す。