【栗田文人・車券放浪記】

◆12R・準決 和田真久留の一発が決まる。

2日目12Rの青龍賞終了直後に準決12Rのメンバーが発表されたが、その並びが決まるまでには約40分間を要した。中でも時間がかかったのが南関勢。4人並んで結束したい気持ちは十分にあるが、2着権利も頭から離れない。最後の決め手になったのは近藤隆司の言葉だった。

「4人並ぶなら俺が一番前でもいいよ」

反応したのが和田だ。

「別線で、お互い力を出し切りましょう」

ファイナルアンサーは和田-小原太樹と、近藤-渡辺雄太に分かれることになった。

字面だけ見ると全くの力勝負に映る。だが、両者の表情には相通じるものがあるように見えた。そもそも青龍賞で渡辺-近藤だった並びが逆になっている。近藤が説明する。

「(渡辺)雄太には宇都宮記念(G3、準決、決勝)などで世話になっている。自分が勝つことも大事だけど、南関も盛り立てていきたい。『4人並ぶなら自分が一番前で』と言った時に(和田)真久留には(自分の)気持ちは読まれたような気はしますけどね」

結論はこうだ。本線の坂本貴史-新田祐大-芦沢辰弘は強力だが、これを近藤-渡辺-志村太賀が強引にでもたたきに出る。2予6Rで2着の後「600~から800メートルはもがける練習をしてきた。誘導が上がって高速周回になるのは自分に合っている」と話していた和田が、その名の通りまくる。

3連単(9)=(1)(3)(7)-(1)(2)(3)(7)(5)。