【ヤマコウの時は来た!】

◆12R・決勝 3日目は朝から強い風が吹いて、どの選手も「苦しい」を連発していた。その中で、落車明けとは思えないスピードを披露したのが準決10Rの平原康多だ。

新山響平が先行するまでに渡辺一成のイン切りがあり、レースが読み切れなかったようにみえる。しかし、最終バック8番手からまくり切って木暮安由とワンツー。近況の悪い流れを断ち切る一戦だったと思う。

脇本雄太対策として体重を絞り、スピードの切れを追求してきた平原が、今節は少しふっくらしていた。聞いてみると「ストレスがたまるばかりなので絞るのはやめました。最高6キロ絞った体が、この1カ月でマックを食べまくって3キロ増えました。思った以上に動けているので問題なさそうです」と明るい表情で明かしてくれた。

最強の自在型といわれ、脇本のスピードに対抗するためにいろいろと追求したことは無駄ではなかったと言う。「競輪は2周ある中で、グンと踏み込んですぐにトップスピードに上がってすぐにたれる(失速する)より、時間をかけて上げる方がいいと思った。フレームもそう作ってある」。

決勝は、脇本が巻き返すところで誰が先行態勢に入っているかがポイントとなる。私は清水裕友だと思うが、準決の平原を見ると脇本、新田より先まくりを決めて優勝する可能性は十分ある。

◎平原康多、○木暮安由、▲脇本雄太、☆清水裕友、△新田祐大。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)