日本代表FW杉本(セレッソ大阪)は、オーストラリア戦の秘密兵器となる可能性を秘めている。今季はJ1で23試合に出場し得点ランク2位の14ゴールと絶好調。その得点データを分析すると、日本代表のハリルホジッチ監督が新たにメンバーに加えた理由が垣間見えた。

 今季は14ゴールのうち、ダイレクトで決めた得点が11点を占める。昨季もJ2で41試合14得点をマークしたが、トラップなしのワンタッチゴールは6点にとどまり、7点がトラップ後の得点だった(他にPK1点)。このワンタッチ弾の増加が、進化を物語る。

 前節19日のジュビロ磐田戦では、MF水沼のクロスに相手のマークを振り切った上で右足ダイレクトボレーを決めた。このシーンに象徴されるように、その動きだしは鋭さを増す。シュートを打てる位置に走り込むことができているから、当然ながらチャンスも増える。シュート数は90分平均で昨季の2・45本から今季は3・36本と増加している。

 昨季までは身長187センチの高さがありながらヘディングでの得点は多くなかった。だが今季は4点で、昨季の3点を上回り自身の年間最多を更新。それも味方のクロスに対して、ワンタッチで合わせられるような位置に入り込むことができているからだろう。

 日本代表初招集で連係面に不安は残す。とはいえ、杉本は屈強なオーストラリアにも高さ負けしない。その上、相手を置き去りにするスピードも兼ね備える。いきなり決定的な仕事をする可能性は十分にある。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)