リオデジャネイロ五輪帰りの福岡DF亀川諒史(23)に期待だ! 五輪では1次リーグ第2戦のコロンビア戦で、後半35分からG大阪DF藤春に代わって初出場。第3戦のスウェーデン戦では先発出場も果たし完封勝利に貢献した。
第1戦で守備が崩壊し5失点するなど厳しい現実を目の当たりにした。そこから学んだことは多いはずだ。亀川は15年の福岡移籍後、課題のポジショニングなどを元日本代表DF井原正巳監督(48)から指導され急成長を遂げた。これからはリオ戦士としての力も還元し、よりアグレッシブなプレーで年間順位で現在最下位の福岡をJ1残留に導いてもらいたい。
7月に誕生した長男や、いつも気にかけてくれる母祐子さん(49)らのためにも弱音を吐いてはいけない。祐子さんは五輪前の6月、長野で行われた五輪代表対南アフリカ戦の応援に駆けつけた。試合前、君が代斉唱の亀川の勇姿に「ここまで立派になってくれてありがとう。ここであなたの姿が見られて良かった」と過去の思いがあふれ、涙が止まらなかった。
亀川は大阪出身だが高校は山梨・帝京三にサッカー留学した。だが3年間、全国高校選手権には縁がなかった。3年時の山梨大会決勝は、股関節痛の影響で痛み止めの注射を打って臨んだが優勝には届かなかった。12年に湘南に入団した。だがここでも股関節痛の影響でまともにプレーできず、ほぼ1年間を棒に振ったという。
それでもじっくりと腰を据え体幹を鍛え、将来のために備えた。無名だった高校時代。高3時、日本料理の料理人を志し、プロの道をあきらめかけたこともある。本人いわく「骨折は3回ぐらいしている」。苦労を知る祐子さんが涙するのも無理はなかった。
高校の卒業式当日、祐子さんは初めて感謝の手紙をもらった。祐子さんによると「ここ(帝京三)に来させてもらいありがとう。プロに行って頑張る」との内容だったそうだ。今こそ、数々の逆境を乗り越えはい上がってきたバイタリティーが役立つのではないか。試練を迎えている福岡のために。8月15日からチーム練習に再合流しており、出場予定の同20日新潟戦が楽しみだ。【菊川光一】
◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当。プロ野球などのカメラマンも兼務する“二刀流記者”。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。



