来年6月開幕のW杯(ワールドカップ)ロシア大会で日本と対戦するH組のライバル国紹介2回目は、1次リーグ最終戦で戦うポーランド。一時の低迷を乗り越え、現在はFIFAランキング7位まで上り詰めた。原動力となっているのが、今や欧州トップ級のストライカーとなったFWロベルト・レバンドフスキ(29=バイエルン・ミュンヘン)だ。

 レバンドフスキの得点力はずばぬけている。現時点で今季ブンデスリーガ14試合で14得点。W杯欧州予選は10試合16得点の活躍だった。クロスや速いパスにダイレクトに右足を合わせる感覚は抜群の上、ヘッド弾など空中戦も強く、FKを直接蹴り込むこともでき、得点パターンは多彩だ。シュートコースを引き出す相手DFとの駆け引き、ポストプレーにもたける。

 10年にレフ・ポズナン(ポーランド)からドルトムント入り。MF香川真司、やはりポーランド代表MFブワシュチコフスキとともにリーグ2連覇を果たしたことで、日本でもその名は広まった。特に13年4月の欧州CL準決勝第1戦で、Rマドリードを相手に4得点を挙げたのは世界的なニュースになった。

 Bミュンヘンに移ると、世界トップ級のチームメートに囲まれ、さらに飛躍する。15年9月には後半から出場して3分22秒でハットトリック、5分42秒で4点目、8分59秒で5点目を奪い、いずれもブンデス史上で最速、途中出場からのハットトリックも初と4つのギネス記録をつくった。

 もちろんポーランド代表51得点も同国最多だ。その実績に加えて、イケメンだから国内では既に国民的スターである。今夏までポーランドのシロンスク・ブロツワフに所属していたワースランドベベレン(ベルギー)森岡亮太は言う。「レバンドフスキ人気がやばいですね。どこに行っても彼のポスター。CMでも広告でもアパレルでも、何でもレバンドフスキ。どこに行っても彼がいる。ショッピングセンター、スーパーにもいます」。

 アナ夫人も超美形で、空手家という肩書を持ち、来日経験があるという。一方でレバンドフスキは07年にワルシャワ体育大学に入学し、10年がかりで卒業。大学から卒業の発表があったのは、今年10月W杯出場を決めた翌日だった。自らのキャリアをテーマに学士論文を出し、タイトルは「RL9栄光への道」。若い選手の参考になると評価を受けた。ロシアには論文の続きが待っていそうだ。