FW大迫勇也(29=ブレーメン)のプレーデータの変化がチームの進化の証しか。22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選前最後の強化試合となった5日のパラグアイ戦。サッカー分析会社「データスタジアム」によると、日本不動の1トップの前方へのパス成功数がこれまでと比べて激増していた。

前線で巧みにボールを収め、2列目の3人の動きをさらに加速させた。

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大迫の意識は、これまで以上に前を向いていた。67分間の出場だったが、前方へのパス成功数は9本。90分平均換算すると12・1本で、これは自身の国際Aマッチ出場44試合目で最多記録となった。森保ジャパンで出場した過去10試合の同平均5・0本からは倍以上も増え、パス成功の方向を前後左右4分割の比率にして見ても、過去10戦の24%から今回は半数近い47%が前方へのパスだった。

この多さは2列目の中島、南野、堂安が大迫を追い越す場面が多かったということでもある。前半25分、大迫が堂安に出した決定的なラストパスは象徴的。大迫が引いたところで3人がゴール方向へ走った。その連係について大迫は「良かったと思う。自信を持って中盤の3人がやれることが一番このチームは生きる」。データの変化はチーム全体の進化の証しか。

次戦10日の相手ミャンマーは、5日のモンゴル戦で最終ラインの裏を突かれるシーンが目立った。前半17分には4バックの背後を取られて失点。そこを日本のエースFWが自ら狙っても良し、2列目の飛び出しをうながしてラストパスを送っても良し。7大会連続のW杯出場に向け、準備は万全のようだ。【石川秀和】