川崎フロンターレのMF田中碧(21)が3日、東京五輪世代のU-22日本代表ブラジル遠征のメンバーに選出された。

現地でU-22ブラジル代表と対戦する。6月のトゥーロン国際大会の決勝でも対戦しているが、今回のU-22ブラジル代表はFWマルコム(ゼニト)、ロドリゴ(レアル・マドリード)らビッグクラブ所属の選手たちがメンバー入りしている。

この日、神奈川・川崎市内の練習後に取材に応じた田中はMFドウグラス・ルイスの名を挙げ「トゥーロンで衝撃受けた選手。また試合ができてうれしい」と再戦を心待ちにし「ブラジル代表と相手のホームでやれるのはなかなかないこと。相手も相当、気合を入れてくると思う」と話した。

トゥーロン国際大会の決勝ではブラジルにPK戦の末に敗れたが、スコア以上に実力の差を感じた。一瞬でも考える間を与えてくれない相手のスピードと技術、強いフィジカル…。同大会を終え、普段の練習から、速い判断やプレーの質、ボールを奪う部分をより一層、意識するようになった。3カ月あまり経て「この数カ月で意識してきたことがどれだけ通用するか楽しみ」と見据える。

川崎Fでは前節神戸戦に先発出場した。相手にひるむことなくボールを奪い、MFイニエスタを振り切り果敢にドリブルでボールを運ぶシーンもあった。特長を出した一方で、攻撃エリアで自身のパスミスからカウンターを浴び、失点したシーンを悔やむ。

「自分がまだ、質の高い選手の中でやるレベルに達していなかったなと。結果としてミスするか通すかで全然違いますし、あの場面で、力不足を痛感させられた。悔しいですけど。これを悔しいだけで終わらすのでなく、しっかり反省して、自分の中でしっかりと自分のものにできるようにしていければ、またさらに、選手として成長していけると思う」。

悔しさを糧にさらなる飛躍を誓う。チームでは負傷離脱していたMF大島僚太が全体練習に合流し、復帰も近づいている。田中は「ここからまた、ポジション争いも激しくなる。成長して帰ってこなければ」。ブラジルの精鋭を相手に真っ向勝負する覚悟だ。