日本代表DF吉田麻也(32)が、森保一監督(52)の“目”となる。ワールドカップ(W杯)最終予選進出を決めた日本代表は10-0で大勝したミャンマー戦から一夜明けた29日、千葉県内で練習。主将の吉田らが東京オリンピック(五輪)世代のU-24代表にオーバーエージ(OA)枠としてA代表を離れ、31日から合流する。本番で五輪代表を率いる森保監督はコロナ禍の厳しい行動制限もあり、A代表に専念せざるを得ない状況。森保イズムを体現する吉田らが“先乗り”することで、リモートでの強化も可能となりそうだ。

先頭を走る吉田の目には何が映っていたのか-。前日のミャンマー戦に出場し、前半だけでお役御免となった主将は他の選手とともに、軽めのジョギングなどで調整した。A代表としての戦いはひと区切り。ただ、休む間はない。東京五輪代表のOA枠として酒井、遠藤航とU-24に初合流することになっている。ミャンマー戦後には「体が2つあれば、両方出たいぐらい。なぜ自分が選ばれているか、証明しないといけない。それは代表選手の宿命だと思う」と話した。自身3度目の五輪で、森保監督も掲げる悲願の金メダルへの挑戦。文字通り次のミッションが待つ。

A代表と五輪代表を兼任する森保監督も体は1つ。コロナ禍で、両世代の“行脚”は断念。A代表に専念し、U-24は、気心知れた横内コーチが監督として3月の国際親善試合アルゼンチン戦同様に指揮を執る。同コーチとの情報交換はもちろんだが、吉田のU-24への早期参加には、計り知れないメリットがある。2度の五輪、2度のW杯出場という経験値に加え、A代表の主将として森保監督のサッカーを最もよく知る1人。日本協会の関係者も「横内さんとの話、スタッフ、そこにOAが加わることで、いろんな角度から情報共有ができる」と全体的な底上げを期待する。

若い世代に伝えられることは多い。吉田自身、かつて「五輪がゴールではない。年齢制限がある中、五輪をへて、代表に定着する選手が何人出てくるか、それが五輪の意義だと思う」と話していた。指揮官の“イズム”を継承、注入しつつ、森保監督の目となり、さらに五輪世代のレベルアップへの血となり肉となる。【栗田尚樹】