絶対に負けられない戦いがそこにも、ここにも、あそこにもある。日本代表対東京オリンピック(五輪)世代のU-24日本代表の強化試合が今日3日、札幌ドームで行われる。「日本VS日本」の兄弟対決は、各所に見どころ満載。DF長友佑都(34)、MF久保建英(19)の元東京対決に始まり、FW大迫勇也(31)、GK大迫敬介(21)は“半端ない”パフォーマンスで盛り上げる。MF南野拓実(26)とMF堂安律(22)による「10」番対決も目が離せない。

日本A代表-日本U24の見どころ
日本A代表-日本U24の見どころ

試合開始のゴングは、既に鳴っている。オンライン取材に臨んだA代表のDF長友は「堂安さんも久保さんも怖いですね。すごく怖いです。心理作戦で行こうかな、と。長友ネガティブになっていると隙を見せながら、相手が狙ってきたところをバチッと止めようかなと。言っちゃったら心理作戦にならないけど」。ニヤリと笑った。

久保は東京の後輩。堂安はA代表の練習などで、多くの時間を一緒に行動するかわいい後輩。ともに右サイドを主戦場とし、左サイドバックの長友とマッチアップする。「堂安さんも久保さんもすごく怖いので、長友がびびっていると書いておいてください」と揺さぶりを掛けた。堂安も「ユウトくんとは公式戦というか試合で対峙(たいじ)したことない。練習ではあるけど、テンションが違う。あの人の性格を考えると気にせずガンガンガツガツ来ると思うのでしっかり準備してチームのためにプレーできたら」と負けるつもりはない。

注目カードはめじろ押し。「半端ないって」対決の軍配はいかに-。「大迫、半端ないって」のA代表FW大迫は「不思議な感覚はありますけど、個人としては楽しみ。練習試合とも違う。面白そうだなという感じ」と五輪代表との“兄弟対決”を心待ちにした。21歳の大迫も半端ない可能性を秘める。広島の守護神をつかさどり、A代表でも2試合の経験を持つ五輪代表の正GK。「半端ないって」と驚きのゴールなのか、ファインセーブなのか。五輪代表のGK谷も、半端ない大迫を抑えるのはという問いに「楽しみです」とワクワクした様子だった。

「ジャガー対セリエA対決」だって、注目の1つ。A代表のFW浅野は「相手の背後という部分は僕の特徴でもありますし、(相手の)弱点だと思っている。そこを突けば、スペースも空いてくる。僕を生かして、周りの選手が点を取ることもできると思っている」とDF冨安、五輪世代にオーバーエージ(OA)枠で入るDF吉田の“弱点”を披露し、プレッシャーをかけた。A代表の背番号10は、もちろんMF南野。五輪代表の「10」は、MF堂安が背負うことに決まった。10番の華麗な動きも、目が離せない。

サイド、ゴール前、矛と盾、そして10番…。全てが大トリであり、メインカード。極上の負けられない戦いで、日本を盛り上げる。【栗田尚樹】