東京オリンピックの戦いを終え、A代表の闘いが幕を開ける。

22年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア最終予選に臨む日本代表(FIFAランク24位)は、9月2日にオマーン代表(同79位)(大阪・パナスタ)との初戦を迎える。同じB組には、オーストラリア(同35位)、サウジアラビア(同61位)など強豪国も控える。

日本にとっての壁は-。3回にわたって、検証する。最終回は「増える出場枠」。

    ◇    ◇    ◇  

今回のW杯アジア最終予選は、「最後の厳しい戦い」になるかもしれない。日本は98年フランス大会で初めてW杯に出場して以降、18年ロシア大会まで6大会連続出場中。初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」は、約24年前になる。次回の26年大会からアジアの出場枠が増え、W杯切符はより手にしやすくなる。

現在の日本のFIFAランキングは24位で、アジア最高位。この20年で、日本にとっての最終予選は大きく変わった。W杯の切符をつかめるのかという緊張感は今、「勝つべき戦い」に変わっている。

日本から勝ち点を手にするため、最終予選になっても真っ向勝負より守りを固める戦術をとるチームも増えた。前回の最終予選は初戦のホームでUAEに敗れ、批判を浴びた。力が拮抗(きっこう)しつつも「勝つのが普通」と、追われる側に立たされる。本大会で格上とぶつかる日本にとっては、アジア予選とW杯で戦い方を一貫しにくいというジレンマも生まれた。森保監督が「最終予選に出てくるチームは難敵ばかり」と話し、MF遠藤が「2次予選までと最終予選は全然違う」と話すように、現場には変わらない緊張感があるが、見られ方の変化は確実にある。

ただ、張り詰めた空気も今回が最後になるかもしれない。26年W杯からは、出場枠が現行の32から48となる。アジアからは、4・5枠が8枠に増え、プレーオフ組も含めれば最大9チームがW杯に出られる。次からは日本にとっては、W杯は難なく出場できる舞台になる可能性が高い。

「ジョホールバルの歓喜」は、アジアの3枠目をイランと争ったもの。94年米国大会を終えてアジア枠が2から3に増えた恩恵を享受し、力を伸ばしてきた。いまやW杯で8強を目標とし、世界に目線を向けるようになった日本を目標に、力を伸ばしてきた国もある。「絶対に負けられない戦い」が「絶対に負けるわけがない戦い」になるのか-。日本にとってのアジア最終予選は今、過渡期にある。【岡崎悠利】(おわり)