日本サッカー協会は23日、大事なワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国戦とサウジアラビア戦に招集したDF冨安健洋(アーセナル)がけがのため、不参加となり、代わってDF中谷進之介(名古屋グランパス)を招集すると発表した。

22日に発表されたメンバーには、主将で大黒柱のDF吉田麻也(サンプドリア)も不在。けがで招集できなかった。

これでセンターバックの絶対的な主力2人を欠いた状態での戦いを、森保ジャパンは余儀なくされることになった。

チームは1月27日に中国戦、2月1日にサウジアラビア戦(ともに埼玉)を戦う。

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冨安は20日のリーグ杯、リバプール戦にフル出場した。右ふくらはぎを痛めており、この試合で公式戦3戦ぶりに戦列復帰していた。

ただ、プレーは精彩を欠き、前半19分の失点の場面ではリバプールのジョタにドリブルで振り切られてゴールを決められるなどした。

この試合には、けが人続出の厳しいチーム状況で、強行先発していた事情もある。アーセナルのアルテタ監督は試合後、「(けがが完治しておらず)彼をプレーさせたくなかったが、無理してもらうしかなかった。セドリックとカラム(チャンバース)が不在で、サイドバックがいなかったから。冨安も『プレーできる』と言ってくれた。練習なしでぶっつけ本番だったが、喜んでプレーし、戦ってくれた。本当に誇りに思うし、選手たちには感謝している」とコメントしていた。

名門チームで求められる役割を、体を張って果たしたが、その代償は大きかったようで、日本代表は活動スタート前日に大打撃を受けた。

吉田も冨安も不在で、ホームでの2連戦ではあるが、2連勝しか許されない中国とサウジアラビア戦を迎える。まさに森保ジャパンにとって、正念場といえる。

◆けが人続出で不安いっぱいの森保ジャパン

▽GK 直前まで行われた国内組の候補合宿に呼ばれた谷晃生(湘南ベルマーレ)が直前の負傷により辞退。代表にも呼べなかった。川島永嗣(メッツ)は新型コロナウイルスに感染から回復間もない状況。

▽DF チームの絶対的存在である吉田主将の不在は痛い。さらに冨安も不参加で、チームの看板であるセンターバックの最強コンビを欠く。

▽MF/FW 主に左サイドで主力となっていた古橋亨梧(セルティック)、三笘薫(サンジロワーズ)が相次いで負傷し、招集できなかった。