大津高出身のセンターバックコンビが「凡事徹底」で2枚柱の穴を埋める。吉田と冨安の離脱で、先発が見込まれるDF谷口彰悟(30=川崎F)は「チャンスをもらった選手が、チームの勝利のために、いいパフォーマンスを発揮することが大事」と力を込めた。

谷口と3歳下のDF植田直通(27=ニーム)は、ともに熊本・大津高出身。母校はこの冬の全国高校サッカー選手権で、初の準優勝に輝いた。谷口も後輩の勇姿に大きな刺激をもらった1人。「シンプルに心を打たれました。転んでも立ち上がってという姿は、初心を思い返せた。そういう思いを自分のパワーに変えて、彼らにも勇気を与えられたら」。

心に浮かんだのは、同校の平岡和徳総監督が伝え続けた「凡事徹底」の教えだ。「味方が競り合った時にカバリングをサボらないとか、中途半端な考えだと足をすくわれることもある。丁寧に90分間やることは大事。凡事は全て。細かいところは外さないことは、大事にしたい」。当たり前のことを当たり前にやる。アクシデントが相次ぐ苦境で迎える大一番でも、やるべきことは変わらない。

10月以来の招集となった植田も母校への思いは強い。「熊本の方たち、大津高に関わる人たちが応援してくださると思うので、いいプレーを見せられれば」。2人のコンビは、昨年6月11日のキリンチャレンジカップ・セルビア戦で結成済み。同門の教えを胸に日の丸で共闘する。【磯綾乃】