サッカー日本代表は、今日27日にワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で中国戦(埼玉)に臨む。主将を務めてきたDF吉田麻也(33=サンプドリア)、DF冨安健洋(23=アーセナル)と守備の要を欠く正念場。森保一監督(53)は26日、MF遠藤航(28=シュツットガルト)の代理キャプテンを発表した。

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午後3時30分から始まった公式会見。森保監督は、吉田に代わるキャプテンを問われると「今回の活動で遠藤航にキャプテンの役割を担ってもらうことになりました。昨日のミーティングで、チームには伝えました」。A代表キャップ数34の28歳に託すことを明かした。

その2時間前に行われた選手のオンライン取材。対応した遠藤は「主将不在の中、監督から主将について言われたことは?」と問われたが「いや、特に」と答えるにとどめていた。前日25日の段階で決まっていたが、自らの口で明かすことはなかった。試合会場の埼玉スタジアムで行われた全体練習。冒頭15分を除く非公開練習でも、普段と変わらなかった。リラックスした表情でランニング、ボール回しを消化。「僕のタイプ的にはそんなにガンというタイプではない。プレーで見せることにはなる。自分のポジションはプレーで見せやすいポジション」。文字通り、背中で示す。

過去に日本代表でキャプテンマークを巻いたベテランのDF長友、FW大迫ではなく、中堅の遠藤が吉田の代役を務める。森保監督は「ポジション的にも、攻守のつなぎ役。チームの中心でプレーしてくれている。経験のある選手も候補として考えたが、キャリアを重ねた選手よりも、若手にも、両方のコミュニケーションを取れる遠藤となりました」。橋渡し役を期待した。

遠藤は所属先のシュツットガルトで主将を務め、リオ五輪日本代表では、キャプテンを任された。過去には湘南、浦和でもキャプテンマークを巻いたこともある。この日、自身のSNSを更新した吉田は「このタイミングでけがしてしまった自分に殺意すら覚えましたが、やれる事に全力を注ぎより強くなって1日も早くピッチに戻れるようにします」と思いの丈を投稿した。先輩の無念さを遠藤が腕に巻き、勝利を届ける。【栗田尚樹】

◆最終予選の前回中国戦VTR(9月7日、ドーハ・ハリファ国際スタジアム)新型コロナウイルスの影響による渡航制限のため中国開催ではなく、中立地のドーハで行われた。前半40分にFW大迫のゴールで先制。その後も攻め続けたが、追加点は奪えず、1-0の辛勝。初戦オマーン戦に敗れていたため、最終予選初勝利で勝ち点3を得たが、攻めあぐねる場面も多く、課題を残した。