大会連続7度目のW杯出場を決めている日本(FIFAランク23位)が、本大会へ向けて大きな不安を残した。アジア最終予選の最終戦(埼玉)は、最下位のベトナム(同98位)にまさかの引き分け。直近の24日オーストラリア戦(シドニー)から9人を入れ替え、凱旋(がいせん)試合に臨んだが、勝利を届けられなかった。W杯ベスト8を目標に掲げる中、課題が浮き彫りとなった。
【W杯予選】吉田麻也同点弾も手痛いドロー 森保ジャパン7勝1分け2敗/ベトナム戦ライブ詳細>>
イタリアは、W杯に出られない。FIFAランク6位のイタリアが、だ。同国史上初の2大会連続予選敗退。昨夏にEURO2020を制した欧州王者が、カタールの地を踏めない。だからこそ、7大会連続7度目のW杯出場を決めている日本は、FIFAランク98位のベトナムに引き分けては寂しい。まして、凱旋(がいせん)試合、最終予選の最終戦で。森保監督は「もっと、誰が出ても相手に隙を突かれないように、我々がやろうとすることをスムーズに発揮できるよう、選手層の幅を広げないといけない」と認めた。
オーストラリア戦から9人を入れ替えた布陣。フレッシュな顔ぶれが並んだ前半に、課題が浮き彫りとなった。まずは連係。ここ3試合出番がなかった柴崎はアンカーの位置に入ったが、不用意なボールロストを連発。選手間のパスミスも目立った。失点シーンもチグハグな関係性から。前半19分の左CK。ペナルティーエリア内では相手の5人に対し、日本は7人で構えたが、ニアに集中し過ぎた。結果的にファーでフリーにヘディングを許した。
世界と対等に渡り合うならば、組織力に加え、個の力も求められる。前半の攻撃で光ったのは、左ウイングのMF三笘だけだった。むしろ、右ウイングの久保は影を潜めた。再三、ドリブルから仕掛けたが、何度も何度も相手に止められた。待望のA代表初得点はお預け。ワントップの上田も両チーム最多5本のシュートを放ったが、得点はなしだった。
日本らしさを取り戻したのは、皮肉にも後半から。後半開始から旗手に代えて、伊東を投入。同16分には久保、原口、柴崎をベンチに下げ、南野、守田、田中とスタメン組を投入。以降は森保監督の言う「スムーズ」さを取り戻した。森保監督は「もう1度、選手層の底あげをする」と前を見据えた。
本大会まで残り8カ月。次の活動は5月下旬。この期間で4試合、9月に2試合をこなし、本大会に突入する。残される実戦の機会は6試合。少ない実戦を有効に使う。過去の大会を見ても最終予選のメンバーから、本番の23人が入れ替わる可能性は大いにある。森保監督は「新しい選手を入れるありきではないが、選手たちの日常をしっかりチェックしながら、より状態のいい選手、力のある選手を選んでいきたい」。誰が出ても、同じ絵を描けなければ、ベスト8は夢のまま終わってしまう。【栗田尚樹】
◆FIFAランキング上位国の動向 23位の日本よりランク上位の国は日本時間29日現在では13カ国が出場決定。6位イタリアは出場を逃している。欧州は8位ポルトガル、17位スウェーデン、20位ウェールズが欧州予選プレーオフを争っている。北中米カリブ海は12位メキシコと13位米国が出場決定目前。南米は4チームが確定したが、19位コロンビア、22位ペルーなどがアジアとの大陸間プレーオフに回る可能性を残す。

