日本サッカー協会は20日、6月に予定するブラジル戦など4試合に臨む日本代表メンバーを発表した。同日にJ1磐田からドイツ1部シュツットガルトへの完全移籍が発表されたDF伊藤洋輝(23=浜松市出身)が、初選出された。

伊藤は、U-15から磐田の下部組織でプレー。186センチの体格と良質な左足のキックを武器に、世代別代表にも常に名を連ねた。高3時の2017年にクラブとプロ契約を結ぶなど、逸材としての高い実力を早くから評価されてきた。

17年から19年シーズン途中まで、磐田には希代のレフティーMF中村俊輔(43=J2横浜FC)が在籍。伊藤は「寝るよりも価値がある。練習だけでなく、雑談も勉強になる」と、中村と貪欲に会話を重ねた。さらに、高3時に磐田東高から通信制高校に編入。サッカーに専念できる環境を整えるなど、成長への意欲も人一倍高かった。

今回の代表4試合は、W杯カタール大会(11月21日開幕)への試金石となる。4年前、U-19日本代表の一員としてW杯開催地のロシアに遠征し、現地で日本代表戦を観戦。「出たいと強く思った。そのためには、まだまだ全体のレベルアップが必要」と語っていた。昨夏にドイツへ渡って約1年。言葉通りの進化を遂げ、日本代表としてのスタートラインに立った。

◆伊藤洋輝(いとう・ひろき)1999年(平11)5月12日、浜松市生まれ。通信制の第一学院高出。中学時代から磐田の下部組織で育ち、17年にトップチーム昇格。19年は名古屋に期限付き移籍し、20年に磐田復帰。21年夏にシュツットガルトへ期限付き移籍。U-16から世代別日本代表。J1で3試合出場無得点、J2で57試合出場4得点。186センチ、78キロ。