先制してとどめが刺せず、またも逆転負けした。初戦のセネガル戦は相手のミスが重なり、なんとか逃げ切ったが、内容的には3試合とも同じパターンで、1勝2敗で1次リーグ敗退危機。3戦とも相手はフィジカルが強かったし、日本はスピードはあるが、プレーも戦術も、球際も全体的に軽かった。パワーがないからパスでごまかしているが、サッカーは局面の1対1の対決が勝敗を分けることが多い。完敗だし、1次リーグ敗退となれば妥当な結果だ。

なぜ、日本は2点目が取れないのか。相手が日本の速さに慣れて対応できるようになると、攻め手がなくなるからだ。スピードと連係でしか点が取れない。セットプレーはA代表よりバリエーションがあるが、流れの中の選択肢はあまりない。速いパスをつないでチャンスを狙うだけ。相手は楽だろうな。

スタメンもサブメンバーも似たようなタイプばかりを選んでいるから、選手交代しても戦い方は変わらない。長身FWにも足元にパスを出してしまう。前線に高いボールで競らしてからサイドに展開すると、よりサイドが生きるのに、試そうともしない。相手は守りやすい。低いボールだけ警戒すればいいわけだからね。

世界的にはこの年代でA代表経験のある選手が何人もいる。欧州主要リーグでレギュラーを張る選手もいる。日本はどうか。海外組は何人かいるが、トップリーグでやっている選手はいない。国内組もJ1でレギュラーでプレーしているのは、東京MF松木くらいじゃないか。「まだ若い」じゃ、世界で笑われちゃうよ。(日刊スポーツ評論家)