ワールドカップ(W杯)カタール大会のメンバー入りも右アキレス腱(けん)断裂で辞退したDF中山雄太(26=ハダースフィールド)が約1年ぶりに日本代表の場に戻ってきた。

国際親善試合(13日カナダ戦・デンカS、17日チュニジア戦・ノエスタ)に向けた日本代表合宿が9日、千葉市内でスタート。中山は負傷から復帰までの道程を明かし「新生・中山」をプレーで見せ、左サイドバックの定位置を確保する決意を示した。

取材エリアに現れた中山は、上半身が厚くなり、一回りたくましくなっていた。「日本代表としてやれる喜びと責任、離れていたからこそ、ふつふつと感じるものが大きい」と言葉をかみしめた。

昨年11月1日、W杯カタール大会のメンバーに選出されたが、直後のイングランド2部のサンダーランド戦で負傷交代。ロッカールームに戻った段階で、アキレス腱(けん)断裂の診断はほぼ確定していたが、一瞬たりとも下を向くことはなかった。「やり切った結果。落ち込んでいなかった。その瞬間から、次のW杯に向けて自分がどうなっていこうかしか考えていなかった」。当時SNSでつづったとおり「新しい中山雄太への進化のチャンス」ととらえた。

W杯カタール大会は1人のサッカーファンとして日本の快進撃を見た。ベスト16でクロアチアに敗れたときは、メンバー同様、悔しさが込み上げた。今年8月8日に公式戦復帰するまでの9カ月。長いリハビリ生活にも「短かった」と話す。「常に、自分がどうなりたいか、どうなっていくかを頭で考えて。それに自分自身に期待して、悲観的になることがなかった」。

10月の代表復帰も自分が描いたプラン通り。「新生・中山」については「プレーを見てほしい」と自信をのぞかせる。長い間、左サイドバックの定位置をつかんでいたDF長友は、W杯カタール大会後、招集されていない。「どんな状況でも、代表のレギュラーの座はとっていきたい」。激化するポジション争いをつかむべく、「新生・中山」をピッチで表現していく。【岩田千代巳】