U-17日本代表が、優勝候補スペインに1-2で惜敗し、8強進出はならなかった。前半にFW名和田我空(神村学園)のゴールで同点とし、互角に渡り合った。しかし後半に勝ち越され、反撃はならなかった。3大会連続で同代表を率いた森山佳郎監督は、またしても16強の壁を破ることはできなかった。
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1次リーグD組を3位で突破した日本は、先発FWに名和田と井上愛簾(広島ユース)を並べ、今大会3試合連続4ゴールの「切り札」FW高岡伶颯(日章学園)はベンチスタートとした。対するB組1位通過のスペインは、強豪バルセロナ所属が先発メンバーにFWギウ、DFクバルシら7人並んだ。
前半8分、先に失点した。ゴール前に流れたパスが走り込んだバロセロナ所属MFジュニェントに渡り、すぐにDF小杉啓太(湘南U-18)が寄せたが右に外され、ゴールを決められた。
右サイドバックのDF柴田翔太郎(川崎F・U-18)のオーバーラップを効果的に使い、好機をつくる。MF佐藤龍之介(FC東京)を中心に次第にボールを握れる時間帯が多くなり、ペースを握った。
そして前半40分、佐藤が右サイドで激しく体をぶつけて相手ボールをカットし、すぐに中央へクロス。ペナルティーエリア外、中央で受けたFW名和田が右足で巻いたキックで相手選手を外し、ゴール右隅へと鮮やかなミドルシュートを決めた。1-1の同点とした。
拮抗した展開が続く中、後半15分に井上に代えてFW高岡を投入し、勝ち越し点を狙いにかかった。しかしスペインにボールを握られ、次第に押し込まれる展開となった。
18分には右サイドを破られ決定的なクロスが入れられたが、DF本多康太郎(湘南U-18)がスライディングでクリアした。その後もゴール前にクギ付けとされたが、人数をかけてゴール前を固めた。26分には波状攻撃を受け、決定的なシュートを打たれたがボールはクロスバーを直撃。我慢の時間帯が続いた。
そして後半29分、勝ち越し点を許してしまう。スルーパスからギウが抜けだし、右足でゴール右に冷静に流し込まれた。1点のビハインドとなった。
日本も反撃に出た。後半36分にFW徳田誉(鹿島ユース)がエリア外、中央からゴールを狙うがGK正面。2分後のMF矢田龍之介のシュートはゴール枠を外れた。
7分に及んだアディショナルタイムは高岡を生かしながら積極的にゴールに向かったが、スペインの強固なディフェンスを崩せなかった。
森山監督は「選手たちは燃えかすになるくらい頑張ってくれた。本当に誇らしく思う。この悔しさをU-20、オリンピック、A代表と次のステージでリベンジしてほしい」などとコメントした。
<日本代表出場メンバー>
GK後藤亘
DF柴田翔太郎、本多康太郎、土屋櫂大、小杉啓太
MF吉永夢希(松本遥翔)、佐藤龍之介、中島洋太朗(徳田誉)、山本丈偉(矢田龍之介)
FW井上愛簾(高岡伶颯)、名和田我空(道脇豊)