パリオリンピック(五輪)アジア最終予選北朝鮮戦(24・未定、28・国立)に臨むサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)が16日、千葉市内で日体大の女子サッカー部と合同練習を行った。

報道陣に公開された約20分間の練習後には、国内組を中心にフィールドプレーヤー9人とGK3人が、大学生とともに北朝鮮戦を見据えた攻守のトレーニングを行ったという。

04年のアテネ五輪アジア最終予選で同じ北朝鮮と戦い、勝利した宮本ともみコーチ(45)が自らの経験を語りつつ、今回の対戦への思いを明かした。

20年前の対戦は、日本女子サッカー史に残る試合だった。当時、00年シドニー五輪の出場を逃した影響もあり、女子サッカーリーグは衰退の一途をたどっていた。宮本コーチ自身も所属クラブがなくなるなど、危機的状況で迎えた一戦だった。「(アテネ)オリンピックを逃したら、もう女子サッカーは終わりぐらいの覚悟で、それは全員でそういう話はしてました」。当時の北朝鮮は、世界ランキングも日本より上位で、13年勝てていなかった。しかし、負傷をおして出場した澤穂希さんがファーストプレーで相手を削り、全員が「いける」と思ったという。結果的に3-0で勝利。宮本コーチも3点目のアシストを記録するなど勝利に貢献し、キャリアの中でも最も印象深い試合となった。

今回スタッフとして大一番に携わることになったが、現チームにも変わらないものを感じている。「ずっと受け継がれているというか、語り継がれているなというのは、すごく感じることが多い」。チーム愛や結束力。今のチームにも共通している強みだという。

日本と北朝鮮の立場は大きく変わった。なでしこの選手たちの技術力は高いが、対北朝鮮戦においては、メンタル的な部分が重要になると考えている。澤さんのプレーを例に「(試合の)入りは本当に大事だと思っていて、入りで『いける』というふうに思わせる、隙を与えるというのは、結構命取りじゃないけど、そこで大きく変わると思うので、その入りをどれだけ圧倒できるか」とポイントを分析した。

五輪出場が女子サッカー界の発展に寄与することは身をもって経験してきた。「今回パリに行くことが、日本の女子サッカーをさらに良くするっていうことは、選手たちもわかっているのかなと思います。でも、多分、その想像以上に良くなると思うので、本当に絶対行きたいという気持ちは私自身も思ってます」。立場は変われど、なでしこジャパンの一員として、全力で五輪切符をつかみ取りに行く。【佐藤成】