なでしこが勝った。東京に続く2大会連続6度目の五輪出場をつかみ取った。女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランキング8位)が、負けたら終わりのパリ五輪切符をかけた決戦で、北朝鮮(同9位)を2-1で破った。

 

“山下の1ミリ”が勝負の分水嶺(れい)となった。1点リードの前半45分、ニアサイドに入った北朝鮮FWチェ・グモクが右足で合わせるトリッキーなシュート。ボールがファーポスト際へと転がる。山下杏也加(28=INAC神戸レオネッサ)はニアサイドにあった重心をすぐに切り替え、ボールに向かって跳んだ。ゴールライン上を通過しようとするボールを、目いっぱい体を伸ばし、右手で掻き出した。

ボール半分はインゴールにあった。まさにミリ単位の世界。22年W杯カタール大会のスペイン戦で三笘がほぼ外に出ていたボールを中央へ折り返し、アシストした「三笘の1ミリ」を彷彿させるスーパープレーだ。「ボールが来るのが見えた。ニアから来るのは分かっていたし、いい姿勢だったので間に合った。ホッとしました」。勝負のかかる大一番でチームを救った。

勝つか負けるかで大違い。8年前には予選で敗退し、その後の苦しい期間を味わっている。熊谷も「あのプレーが大きかった。勝つことがすべてだった」。第1戦は4バックで戦ったが、DFラインの役割がぼやけ、相手ロングボールを前で跳ね返せなかった。その反省を踏まえ、3バックで対応。やることがはっきりし、1失点こそしたが自信を持って対応できた。

女子サッカーの未来を懸けた戦い-。熊谷はそうチームにハッパをかけた。「パリでも金メダルを取れるポンテンシャルがある」。厳しい予選を乗り越え、チームの視界は一気に広がった。【佐藤隆志】

【動画】「山下の1ミリ」なでしこ守護神・山下杏也加が神の手スーパーセーブでピンチ救う

なでしこ、パリ五輪切符を獲得!負ければ終わりのアジア最終予選で北朝鮮を破る/ライブ詳細