【ナコンラチャシマ(タイ)5日=由本裕貴】カズが、フットサル界の歴史を塗り替える。日本は明日7日、1次リーグ最終戦でリビアと対戦する。劇的なドローに持ち込んだポルトガル戦から一夜明けたこの日、三浦知良(45=横浜FC)は「いい雰囲気だし、初の予選突破に向けて前進できた」と自信を見せた。J2横浜FCの選手からのメッセージも力に、リビア戦の決戦地バンコクへ移動した。

 歴史を塗り替える時がやって来た。初戦ブラジル戦は1-4で敗戦も、ポルトガル戦は最大4点差を追いつく粘りを見せ、大きな勝ち点1を得た。現在勝ち点1で3位。リビア戦に勝てば3位以上が確定し、得失点差によって日本が初の決勝トーナメント進出を決める可能性が高くなる。カズは前日の試合後も興奮が冷めず、宿舎でチームメートと試合の話で盛り上がったという。一夜明けて、表情は自信に満ちていた。

 カズ

 チームはいい雰囲気だし、初の予選突破に向けて前進できたんじゃないかと思う。チームの盛り上がり方を見ても、それを実感できた試合だった。

 ポルトガル戦の試合後、カズは「フットサル界にとっての夢は、僕のゴールじゃない。日本が予選を突破することですから」と言った。勝利のため、チームプレーに徹する姿勢は変えない。ここまで2敗のリビアは、日本に勝つことでしか1次リーグ突破の道は残されていない。そのため、試合開始から5人全員で攻め上がるパワープレーをしてくる可能性もある。その場合、カズは戦略要員から外れることになるが「仕方ないでしょう。みんなに引き上げてもらうしかないですよね」と話した。

 所属するJ2横浜FCは、前日にJ1昇格に望みをつなぐ6位以上を確定させた。カズはクラブ関係者を通じ、山口監督と選手全員のメッセージをメールで伝えられ、喜びの報告を受けた。「僕らも頑張らなきゃいけないですよね」。横浜FCがJ1昇格プレーオフに出場することになった場合、フットサルW杯の決勝が行われる18日にともに大一番を迎えることになる。「決勝とかというよりも、まずはリビア戦ですから」。競技の知名度アップの使命も託され、タイにやって来たカズが、節目の一戦に臨む。