【ダッカ(バングラデシュ)17日=木下淳】U-21(21歳以下)日本代表には3組の「絆コンビ」がいる。FW南野拓実(19=C大阪)とDF室屋成(20=明大)は、大阪で5歳からサッカーを始めた小学校時代の幼なじみ。U-21代表として今遠征で初めてタッグを組み、ともにリオデジャネイロ五輪を目指している。

 一緒にサッカーを始めた幼なじみが15年後、日の丸を背負って共闘している。FW南野とDF室屋。14日のU-21タイ戦では室屋が右サイドバック、南野が右サイドハーフで出場し、好連係で何度もチャンスをつくった。後半24分には南野が室屋にボールを預けて背後に回り込み、その動きをおとりに室屋がクロスを上げて、ゴールを脅かした。

 2人は5歳の時、大阪のゼッセル熊取FCで出会った。自宅の距離は自転車で約5分。兄同士も同い年で「親が迎えに行くのに僕と拓実がついていって、気付いたら一緒に始めてた」(室屋)。南野も、練習後に2人で居残りシュート練習したことを覚えている。

 小学6年までチームメートだったが、別々の道を歩んできた。南野はC大阪の下部組織へ、室屋はゼッセル熊取のジュニアユースから青森山田高へ。互いに技を磨き、11年のU-17W杯メキシコ大会で再会。過去最高タイの8強に導いた。

 昨年は南野がC大阪でJリーグのベストヤングプレーヤー賞、室屋が関東大学リーグの新人賞。その活躍が認められ、同年末に熊取町民スポーツ賞を受賞。久々に再会して刺激を与え合った。その後は早生まれの南野がU-19、室屋がU-21に分かれたが、今回の代表遠征でタッグを再結成。暑熱対策に励む。

 夢はリオ五輪、そしてA代表だ。現在はプロと大学という異なるステージだが、ともに「まずリオ五輪に出たい」と声をそろえる。息の合ったプレーは代表の底上げにもなる。タイ戦後、南野が「特徴が分かってるし、やりやすかった」と言えば、室屋も「あうんの呼吸って感じです(笑い)。またうまくなってたし、楽しかった」。18日のバングラデシュA代表戦も絆の深いプレーを示すつもりだ。