明徳義塾(高知)は、初めて準々決勝に進んだ。

 6度目出場の明徳義塾が終了間際の一気の3得点で、初の8強入りを決めた。高知勢としても29大会ぶりのベスト8。明日5日の準々決勝の相手はあの星稜。甲子園ではなく、駒沢陸上競技場で明徳-星稜の“因縁カード”が、選手権では初めて実現する。

 明徳といえばやはり全国制覇の経験もある野球部だが、サッカー部も強い。先制点のMF三田村は「(注目を浴びるのは)野球部ばかり。サッカー部も僕らの代で」と鼻息が荒い。野球ファンも気にしそうな星稜戦で、さらに成り上がるつもりだ。

 無欲で突っ走る。この日朝、ホテルをチェックアウト。バスに荷物を詰め込んで会場入りした。想定外? の勝利で宿泊ホテルと練習場の手配に大わらわ。小松監督は「失うものはない。ダメもとで頑張ります」と前年王者との戦いを見すえた。もし負けていれば、バスで約15時間かけて高知に戻るはずだったという。

 徹底している。選手はだれ1人、携帯電話を遠征に持って来ていない。三田村は「電子機器は禁止です」。LINEやツイッターとは無縁の男たち。甲子園での星稜・松井の5敬遠は92年。その5年後に生まれた3年生が星稜と戦う。あの時、勝ったのは明徳だった。【八反誠】

 ◆明徳義塾 1973年(昭48)創立の私立校。サッカー部は1989年(平元)創部。部員数は62人。選手権の最高成績は00年度の16強だった。主なOBは元日本代表MF三都主アレサンドロ、松山英樹(ゴルフ)ら。高知県須崎市浦ノ内下中山160。吉田圭一校長。