最後尾からのチャンスメークでJ1残留を決める。北海道コンサドーレ札幌GKク・ソンユン(23)が、勝てば残留が決まる明日18日清水エスパルス戦(アイスタ)での完封勝利を目標に掲げた。7月1日の前回対戦(札幌ドーム)は、ゴール前からのロングキックで決勝点をお膳立て。「イメージはいいし、しっかり勝てるよう強い気持ちで臨みたい」と、攻守両面での活躍を誓った。

 ステップアップの場を与えてくれた札幌に、恩返しする。15年に加入し、1年目でいきなり正GKになると、昨季はリオデジャネイロ五輪出場、今季は初のJ1。毎年段階を踏み高いレベルを経験してきた。「去年までは自分がアピールして評価を上げたいという気持ちが強すぎた。J1は自分1人では勝てないことが分かった。みんなで勝つ。そういう考えを持てるようになった」。J1で30試合を経験し導き出した“大人のメンタル”を、勝利に生かす。

 12年7月、韓国の高校からC大阪入りした際は、不遇の連続だった。最初のオフに左膝半月板損傷。約4カ月、練習ができず、復帰後も不動の韓国人守護神キム・ジンヒョンがおり、出番は皆無だった。2年半でリーグ戦ベンチ入り1、出場ゼロ。「何のために日本に来たのか自問自答していた」とつらい日々が続いた。

 北海道でチャンスをつかみ、前節鹿島戦で公式戦100試合を達成した。次が101試合目。まずはJ1残留を決め、今度はJ1屈指のGKへと歩み出す。【永野高輔】