清水エスパルスがエースの豪快な一発を守りきった。ホームで松本山雅FCと対戦し、1-0で完封勝利。前半18分にFWドウグラス(31)がオーバーヘッドで決勝点を挙げた。過去公式戦で7戦未勝利(3分け4敗)と苦手だった難敵から初勝利。2試合連続無失点でしのぎ、今季3度目の連勝を飾った。

ワールドクラスだった。前半18分、左CKから相手GKがキャッチミスすると、FWドウグラスは強引にゴールを狙った。バウンドしたボールに反応。倒れ込みながら左足ですくい上げたシュートは、逆サイドネットへ。度肝を抜くオーバーヘッドで先制点を奪い、喜びを爆発させた。

ゴールは7月のヴィッセル神戸戦以来4試合ぶり。連続得点記録が「7」で止まって以降は3試合無得点だった。それでも、ゴールの感覚は忘れていなかった。先制点も点取り屋としての嗅覚で奪った一発。ゴールを背にしながら、感覚だけでGKが反応できない位置に流し込んだ。今季は既に9点目。チームに欠かせない存在となった助っ人は、2年連続2桁得点にリーチをかけた。

昨季は7月の加入後、15試合で11得点。オーストリア1部に移籍したFW北川航也(23)との連係でゴールを量産した。「(北川)航也とはすごくいい感覚でプレーができていた」。ピッチ外でも兄弟のような関係だった“相方”は移籍した。だが、その穴を埋めるには十分すぎる活躍。渡欧する前には互いのユニホームを交換し、健闘を誓い合った。

エースが挙げたゴールを守備陣も粘り強く耐えた。篠田善之監督(48)は「辛抱強く戦わなければ難しいゲームになる」と警戒していた難敵から初勝利。後半30分にはゴール前で猛攻を受けるも、GK西部洋平(38)が体を投げだし、ゴールを守った。2試合連続無失点で今季3度目の連勝。清水が上昇気流に乗ってきた。【神谷亮磨】