コンサドーレ札幌MF鈴木武蔵(25)が横浜F・マリノス戦で2戦連発となる2得点を挙げ、自己最多12点目をマークした。

日本代表としてW杯アジア2次予選キルギス戦(14日、ビシュケク)と国際親善試合キリンチャレンジ杯ベネズエラ戦(19日、吹田)に臨む。

試合は横浜に2-4で敗れたが、代表戦を前に点取り屋の意地を見せた。チームは残り3試合で6位以下が確定。4位以内で望みがあったアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場の可能性は消えた。

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鈴木が横浜の攻撃力に屈せず、負けじとゴールに迫った。両チーム合わせて34本のシュートが飛び出した撃ち合い。開始4分で立て続けに2点を失ったが、すぐに攻勢に出た。前半8分、FWジェイのシュートのこぼれ球を押し込み1点目。1-4で迎えた後半29分も諦めなかった。MF荒野から受けたパスを右足で流し込んで、リーグ戦では第2節浦和レッズ戦以来の複数得点となる2点目を挙げた。

今季リーグ戦12得点で、昨季所属のV・ファーレン長崎で記録した自己最多11点を抜いた。優勝戦線にいる横浜相手の敗戦に「立ち上がりの失点が少し早かった。前半に崩せていれば、もっといいゲームになったはず」。自身の記録よりも、敗戦の悔しさが口をついた。

昨季の得点を超えることは、数字ではっきり目にできる成長の証しだ。札幌への今季加入を決めたのも、さらなるステップアップのためだ。速いテンポのサッカーで生かせる自慢のスピード力に、ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)のもとで養う動き方の向上。間違いなく選手としての幅を広げている。

毎試合、ロッカールームでの円陣後に行う儀式がある。「自分に関わるすべての人に感謝するんだけど、札幌に来れて良かったと感じながら、このチームで今やれていることに幸せを感じろって、自分に言ったりしている」。今、鈴木は選手として感謝と幸福を感じながらプレーしている。

10日、日本代表としてキルギスへ出発する。チームに勝利を呼び込めなかったが、得点への感触は手にできた。「3月から代表に呼ばれてまだゴールがないので、結果で示したい。一番アピールになるのは結果なので」と、代表初ゴールを誓う。札幌の初のACLへの挑戦は残り3試合を残し消滅した。「(今季リーグ戦の)目標にしていた15点まであと3点」と、狙うものがさらに高みにある鈴木の闘争心は、消えることはない。【保坂果那】