J2モンテディオ山形は24日、J1昇格プレーオフ進出(6位以内)が懸かる町田ゼルビアとのリーグ最終戦をホームで迎える。4位山形から8位水戸まで、勝ち点3差に5チームがひしめく大混戦。前節16日の山口戦でハットトリックを決め、大逆転勝利の立役者となったFW山岸祐也(26)が、勢いそのままに大一番に臨む。

J1への強い思いが山岸を突き動かした。「どうしてもJ1でやりたかった」と、下位に低迷していた岐阜から8月6日に完全移籍で加入。山口戦では前半のシャドーから、後半は1トップで万能ぶりを見せつけた。11年度の全国高校選手権では、エースとして尚志(福島)を初の4強に導いた。17日の県大会決勝では鹿島内定のU-18日本代表FW染野唯月(3年)が、絶妙なループシュートで決勝点。同校の仲村浩二監督(47)は試合後、「山岸もそういうタイプの選手だったなあ。監督としてこういう選手に出会えているのは幸せ」と引き合いに出すほど、才能は突出していた。現在、ただ1人の同校出身Jリーガーとしてのプライドもある。「後輩たちの道しるべでありたい。J1に上がれば後輩の刺激になると思うし、染野が鹿島に入ることで自分も刺激を受けている」と、直接対決実現のためにも負けられない。

「昇格争いは初めてで、ピリピリ感というか、毎試合緊張感ある中でプレーできているのは、すごい自分のためになっている」とプレッシャーも楽しむ。在籍3カ月、背番号は岐阜時代の「9」から「40」になったが、主力としての自覚も芽生える。「J1をとらなきゃいけないという覚悟があります。とりあえず町田戦をしっかり勝ちたい」と頼もしかった。【野上伸悟】