J1ベガルタ仙台は希望の光としてこれからも歩む。東日本大震災から11日で9年。当時のチームは復興のシンボルになり、11年に4位、12年に2位と躍進し、被災者に希望や勇気を届けた。

宮城出身で諦めない姿勢、熱いプレーを受け継ぐMF道渕諒平(25)、MF吉野恭平(25)、MF佐々木匠(21)が、愛する地元クラブを上位へと導く。

仙台ユースで16歳だった道渕は震災発生時、塾で模試を受けていた。近い位置からトップチームを見て「とても誇りに思いましたし、すごくうれしかったです。躍動するトップの選手を見て、僕もああなりたいと思った。そのシーズンのように上位進出を目指して頑張りたい」と意気込む。

東京Vユースで当時16歳の吉野は、東京で練習に向かう途中に大地震を知った。地元クラブの躍進に「宮城の復興の光となるような魂のこもったプレーをしていて、一緒に頑張らなきゃという思いになった。気持ちのこもったプレーで宮城のみなさんを元気づけたい」と力を込める。

仙台ジュニアユースに所属し12歳だった佐々木は、中学で卒業式の準備をしていたときに被災。当時の仙台について「被災地の方々に夢や希望を届け、復興のシンボルとして戦っていたので、本当にすごかったです。(今後も)復興のシンボルとしてしっかり責任を持ってプレーすることが大事」。あのときのチームのように一丸で躍進する。【山田愛斗】