コンサドーレ札幌はFWアンデルソン・ロペス(27)の2ゴールで、徳島ヴォルティスに2-1の逆転勝利を飾った。後半11分に右足で同点弾、同33分には左足で決めた。今季11得点目でJリーグでのシーズン自己最多を更新し、J1得点ランキングで単独トップに再浮上。チームに2試合ぶりの勝ち点3をもたらし、11位に浮上させた。

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札幌のエースの2発が逆転勝利に導いた。2試合ぶりの白星が決まった瞬間、ロペスは天を仰いで安堵(あんど)の表情だ。ロスタイム8分以上を戦い、1点リードを守り切った。「勝利がチームに必要だった。得点を重ねてチームの勝利に貢献できてうれしい」と、気持ち良さそうに喜びに浸った。

得点への執念を見せた2ゴールだった。1点を追う後半11分。相手をかわしたDF福森からのクロスを受けたFWジェイが頭で落とすと、ゴール前のロペスが「信じて走って決めることができた」。右足で押し込んだ好連係が光った同点弾。1-1の同33分は相手のミスを突いてボールを奪い、力強く左足を振り抜いた豪快シュート。クロスバーに当たりながらもゴールに吸い込まれ、決勝ゴールとなった。

今季リーグ12戦目ですでにシーズン自己最多を更新した。10得点だった広島時代の17年以来の2ケタ達成だ。リーグ得点ランキング首位を争う川崎F・FWレアンドロ・ダミアンが前日8日G大阪戦で今季2ケタ得点一番乗りの10点目を決め、単独トップに立ったが、一夜で奪還した。「僕1人で得点を重ねているわけではない。チームメートに感謝している」と仲間を思った。

家族愛あふれるロペスにとっては特別な日に決めた2ゴール。「ゴールを奥さん、母親にささげたい」。母の日、ブラジルで暮らす愛する存在へのプレゼントは、チームにとっても大きな勝ち点3につながった。順位は3つ上げて11位。「得点を取るプラス勝利、連勝を今後も目標にしてやっていきたい」。次節は首位独走中の昨季王者川崎フロンターレ戦。目標に掲げる得点王に輝くためにも、そのライバルの1人がいるチームからもゴールを奪い、札幌のエースとしての存在感を発揮する。【保坂果那】

◆札幌のJ1での2ケタ得点 今年のロペスでクラブ史上8人目の達成。シーズン最多は01年得点王に輝いたウィルの24得点。Jリーグ時代の98年はバルデス21得点、吉原宏太11得点でチームで2人の2ケタ得点者がいた。そのほか、08年ダビ16得点、17年ジェイ10得点、18年都倉賢12得点、19年鈴木武蔵13得点。昨季はロペスの9得点がチーム最多で12年以来の2ケタ得点者ゼロだった。

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