運命的な巡り合わせだ。
日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重、前鈴鹿アンリミテッド)を率いるスペイン人女性ミラグロス・マルティネス監督(36)が23日、歴史的な天皇杯初勝利を挙げた。
三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で行われた1回戦。同じJFLのFC刈谷(愛知)を2-1で下した。初戦敗退となった前年度の第100回大会が初采配。天皇杯で女性監督が指揮した例は、事務局が確認できる限りでは初めてだったため、101回目の歴史ある大会で「女性監督の初勝利」を手にしたことになる。
運命的なのは、2回戦の相手だ。6月16日、ノエスタで戦うのはJ1の神戸。言わずもがな、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(37)を擁する。
マルティネス監督とイニエスタは共通点がある。この日の試合後、同監督は次戦に向けて、こう言った。
「J1のチームという理由だけでなく、スペイン、世界で伝説的な選手として有名な、アンドレス・イニエスタ選手と対戦する機会があるということは、かけがえのない体験になると思います。同郷でもあるため、また会えることを非常に楽しみにしています」
2人はスペインのカスティーリャ・ラ・マンチャ州出身。名門バルセロナのイメージが強いイニエスタだが、バルセロナ入り前は地元「アルバセテ・バロンピエ」の下部組織で育った。
一方、マルティネス監督が指導者として力をつけたのも同クラブ。イニエスタがいた頃と時期こそ異なるが、12歳以下の男子コーチ、18歳以下の女子コーチ、さらには女子チーム監督兼ゼネラルマネジャー(GM)などを歴任した。年齢はイニエスタの1歳年下で同世代。19年にはスペインメディア「マルカ」の取材で、対面も果たしている。
カテゴリーでは3つ上となる神戸との対戦。マルティネス監督は力を込めた。
「数カ月、多くの練習時間を費やし、常にハードワークを続けてきた選手たちに対しての、ご褒美のようなゲーム。相手は明らかに格上なため、何も恐れず怖さを持たず、思い切り楽しみ、自分のプレーを全員が見せてほしいと思っています。鈴鹿ポイントゲッターズという素晴らしいチームを、多くの人に知ってもらえる戦いを見せたいです」
天皇杯ならではの戦いが実現する。【松本航】
◆ミラグロス・マルティネス 1985年4月23日、スペイン生まれ。アルバセテ・バロンピエ(スペイン)でU-6(6歳以下)~U-12の男子コーチ、U-18女子コーチを歴任。13~14年から16~17年まで女子の監督兼ゼネラルマネジャー(GM)。同クラブのコーディネーター&スポーツディレクターを経て、18~19年に同国アトレティコ・トメリョソで女子監督。19年に鈴鹿の監督へ就任。今季のJFLは9試合を消化し、4勝2分け3敗。勝ち点14で17チーム中5位。
◆アンドレス・イニエスタ 1984年5月11日、スペイン生まれ。12歳からバルセロナの下部組織に入り、02年プロデビュー。W杯は06年から4大会連続出場。10年南アフリカ大会ではオランダとの決勝で決勝ゴールを挙げ、母国を初優勝に。国際Aマッチ通算131試合13得点。171センチ、68キロ。家族はアンナ夫人と2男2女。



