アルビレックス新潟は守備が崩壊した。今季最多失点で2位ジュビロ磐田に2-3で敗れた。

試合開始からMF高木善朗(28)を中心にボール支配率を上げたが、前半6分、同18分、同32分と立て続けに3失点。後半34分にMFロメロ・フランク(33)がPKで1点を返し、終了間際に谷口海斗(25)が追加点も前半の失点が重かった。リーグ前半ラストゲームでJ1昇格を争うライバルに力の差を見せつけられ、4位に転落。次節は11日、ホームで栃木と対戦する。

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出ばなをくじかれ、勝てなかった。前線に個人技のある選手をそろえる磐田に対し、いつも通り高い守備ラインを設定した新潟だったが、前半6分に背後を突かれて先制を許すと、プツリと集中力が切れたように前半32分までに立て続けに失点を繰り返した。後半は守備を立て直して1点差に迫ったが、したたかな試合展開に持ち込んだ相手に逃げ切られた。

スコアレスドローに終わった前節水戸戦(6月26日)以降、アルベルト監督は日々のトレーニングで選手たちにゴールへ向かう意識を高めるようゲキを飛ばし続けた。その言葉通り、前半からMF高木やMF本間が遠目から積極的にシュートを狙ったが、枠をとらえることは出来なかった。後半は選手交代で敵陣に押し込む時間を多くし、後半から出場のロメロ・フランクと谷口が意地を見せて2点を返したが、反撃が遅かった。

開幕から13戦無敗で首位を走ってきた新潟が苦しむ。第14節町田戦(5月16日、1●2)で今季初黒星を喫してから、この試合を入れて2勝2分け4敗。得点は9で失点は10。指揮官が掲げるポゼッションサッカーは確実に浸透し得点は取れているが、パフォーマンスが安定しない。リーグ後半戦巻き返しに向け、チームの立て直しが指揮官に求められる。

▽アルベルト監督「試合開始の30分、プレーの質が低かった。後半は立ち上がりから、いいプレーが多くなり、決定機も多く作れた。リーグ後半戦でも上位争いをし、昇格を目指して戦い続ける」。

○…昨年11月に左膝全十字靱帯(じんたい)断裂と左膝外側半月板損傷の大けがを負ったMF福田晃斗(29)が約8カ月ぶりに復帰。後半27分からピッチに立った。「練習試合もなく、多少の不安はあったがファーストプレーでしっかり相手をかわせたことで、すんなりとゲームに入れた」。