サッカーJ3リーグが12日に開幕し、静岡県勢2チームが同日に初陣を迎える。

ホームの藤枝総合運動公園で鳥取と対する藤枝MYFCは、中京大卒1年目のMF久保藤次郎(22)の先発が有力。チームを2019年以来3年ぶりの白星発進に導く。

アスルクラロ沼津は神奈川県でアウェー相模原戦。京都U-18から新加入のU-19日本代表候補MF遠山悠希(はるき、18)が、プロデビューへ意欲を示した。

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藤枝MF久保が、3年ぶりの開幕戦勝利を呼び込む。右ウイングバックでの先発が有力。「緊張もあるけど、楽しみの方が強い。特徴である(DFの)背後を突く動きで攻撃を活性化させたい」と意気込んだ。

中京大4年時の昨季は、特別指定選手(大学所属でJリーグに出場可能)として6試合2得点を記録。大学3年時には、右FWとして東海学生リーグ1部で得点王にも輝いた。サイドアタッカーは「2桁得点」を今季の目標に掲げる。「ポジションは1つ下がるけど、そこから点を取れたらチームにとっても大きい。『点を取れるウイングバック』になりたい」。目に見える結果にもこだわる。

昨年10月の沼津戦で左太もも裏を肉離れした。全治3カ月の診断を受けたが、オフ期間を利用した懸命なリハビリで完治。今年1月17日の始動日から、急ピッチで調整してきた。「もう大丈夫。コンディションもすごく良いと思う」。仕上がりは順調だ。

昨季10位に終わったチームは、就任2季目を迎えた須藤大輔監督(44)の下でJ3優勝、来季J2昇格を目指す。久保は「スタートは大事。開幕から勢いをつけたい」。悲願達成への1勝をつかむため、サイドを切り裂く。【前田和哉】

◆久保藤次郎(くぼ・とうじろう)1999年(平11)4月5日、愛知県生まれ。帝京大可児高(岐阜)-中京大。高校3年時に全国選手権出場。昨年6月のJ3宮崎戦でプロデビュー。167センチ、64キロ。名前は、戦国武将・伊達政宗の「仮名」藤次郎が由来。東北出身の父親が名付けた。