J2ベガルタ仙台は大分トリニータに0-1で敗れ、原崎政人前監督(48)が解任され、6日に就任した伊藤彰新監督(49)の初陣を白星で飾ることはできなかった。チームは今季ワーストを更新する5連敗。5戦勝利なしと順位も5位に落とし、自動昇格圏内(2位以内)がさらに遠ざかった。

新指揮官の下、心機一転で再起をかけた一戦だったが勝ち点「3」をつかめなかった。序盤から主導権を握れない。前半のボール支配率は26%。シュート数は相手より6本も下回る1本。攻めに転じることはできず、我慢の時間帯が続いた。劣勢な展開もGK小畑裕馬(20)が奮起。好セーブを連発し、前半を無失点にしのいだ。伊藤新監督は「(大分に)ボールを持たれて受けに回ってしまった。もっと前にプレッシャーをかけなきゃいけなかった」と反省点を挙げた。

後半に力尽きた。0-0で迎えた同23分。右クロスを頭で押し込まれ、先制点を献上する。結果的にこの1点が最後まで重くのしかかり、今季5度目の完封負け。攻守ともに歯車がかみ合わなかった。

だが「伊藤新体制」は、まだ始まったばかり。6位以内のプレーオフ圏内であれば「J1昇格」の望みがつながる。次節は14日、アウェーで栃木と対戦する。「(サポーターと)喜びを分かち合えるように、準備をしっかりしていきたい」と前を向いた。嫌な流れを断ち切るためにも、1カ月ほど遠ざかる勝利を手にする。