J2藤枝MYFCのMF杉田真彦(27)がチームの「顔」に任命された。8日は鹿児島キャンプ打ち上げから1日のオフを挟み、練習を再開した。クラブは7日に杉田の主将就任を正式発表。2季連続で大役を務めることになった。昨季の主将3人体制から、今季は1人に変更。杉田は「周囲の期待や注目度は去年と違う。責任は重大」と表情を引き締めた。

この日は約2時間のメニューを全て消化。オフ明けの強度の高い練習でもひときわ声を出してチームメートを鼓舞した。モットーは全力プレー。与えられたポジションでチームのために汗をかき続ける決意だ。「どの位置でもゴールに向かう姿勢は見せていきたい」。ポジション争いも横一線を強調し、「キャプテンだから試合に出られる保証はない。自分がどうであれ、チームがよくなる雰囲気作りもやっていく」と誓った。

須藤大輔監督(45)も全幅の信頼を寄せている。今季の主将は「キャンプ後に決める」と話していた。ただ、指揮官の中で迷いはなかった。今月上旬に行ったキャンプ中の全体ミーティングでキャプテンに指名。明るい性格で、選手からの人望も厚い杉田に「船頭役」を託した。

杉田は「キャンプを通じて選手もスタッフも成長してきたつもり。一体感を持って戦うので、ぜひ期待してほしい」と力を込めた。開幕まであと10日。新時代の幕開けとなる初陣に向け、頼れる主将が先頭に立ってチームを引っ張っていく。【神谷亮磨】

■藤枝市役所を表敬訪問

藤枝が開幕に向けてピッチ外でも精力的に動いた。午前練習後はホームタウンの藤枝市役所を訪れ、北村正平市長(76)を表敬訪問した。徳田航介社長(37)らフロントと、現場からは須藤監督、杉田主将、大卒ルーキーのFW平尾拳士朗(22、藤枝東高出)が出席。平尾は「また藤枝でサッカーができることがうれしい。個人としては2桁得点を取ってチームに貢献したい」と抱負を口にした。

その後は藤枝市内でキックオフパーティーを開催。県内外のクラブスポンサー約80社、約120人の前で指揮官らがチームのさらなる躍進を誓った。須藤監督は「(J1昇格圏内の)6位以内が我々の目標。情熱と責任を持ってサッカーの素晴らしさを伝えていきたい」。同パーティーでは藤枝の女子チーム・ルクレMYFCの選手らも登壇。男女で「藤枝旋風」を巻き起こすことを誓った。