J2藤枝MYFCの躍進のためには行政のサポートも欠かせない。

ホームタウンは4市2町(藤枝市、焼津市、島田市、牧之原市、吉田町、川根本町)。特に藤枝市はクラブと密な関係を築いている。J2ライセンス取得時に必須だったスタジアム改修は同市が億単位の予算を計上し、早期に進めてきた。手厚いサポートは金銭面だけではない。

その中心となっているのが藤枝市の「サッカーのまち推進課」だ。全国的にも珍しいサッカーを核としたまちづくりを基本理念に掲げている。岩本豊課長(56)は藤枝東高サッカー部出身で「市民の関心が高い分、責任を感じています」。昨年は同市が主導し、最終節アウェー長野戦でパブリックビューイングを初開催。本拠地・藤枝総合運動公園サッカー場には市民ら約400人が駆けつけた。同課長は「あの光景は忘れられません」と振り返る。

今季は初のJ2。懸念点の解決にも前向きだ。本拠地周辺は駐車場不足が深刻で、試合開催日には慢性的な渋滞も発生する。藤枝市は「シェア駐車場プロジェクト」を発足し、軒先パーキングと協力して予約制有料駐車場システムの導入を決めた。藤枝駅発着のシャトルバスの増便なども検討中だという。岩本課長は「多くの方に駐車場の提供をお願いして、みなさんの力で快適な試合観戦にしたいです」と呼び掛けた。

ホーム開幕戦(25日)は「ホームタウンDAY」を開催予定。会場では物産展などのイベントを計画している。「J2はいろいろな意味でチャンス。この機会に市をもっとPRしていきたいです」と岩本課長。クラブと寄り添い、クラブと一体となって、サッカーの街・藤枝を全国にアピールしていく。【神谷亮磨】

◆藤枝市役所でクラブを応援する「藤色プロジェクト」が始動した。第1弾として、14日は藤枝市の職員らがクラブのユニホームなどを着て業務を行った。今後もホーム試合前日に着用する予定で、職員向けにクラブとコラボレーションしたポロシャツも制作するという。シーズンを通して、庁舎周辺やJR藤枝駅には横断幕やのぼり旗を設置して応援ムード高めていく。