元日本代表FWの大黒将志さん(43)が19日、熱望するJリーグの監督就任について語った。

今年はJリーグの監督就任に必要なS級ライセンスの取得に臨み、筆記試験などに合格。残すは海外研修のリポート提出だけとなり、年明けに日本協会から免許が発行される運びだ。

古巣G大阪の下部組織(アカデミー)で3年間務めたストライカーコーチは、今季限りで卒業。来季はJFLティアモ枚方でヘッドコーチに就任する。

この日は海外研修のために3週間の日程でイタリアへと出発。その直前に関西空港で取材に応じた。

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-G大阪ではこの3年間、高校生ら育成年代への指導を重ねた。来季は初めてJFLティアモ枚方のトップチームで、大人を相手にした指導になる

大黒さん 僕がプロの監督になるためには、ヘッドコーチの経験も必要だった。そこで今回、いいオファーをいただいた。僕は小学生の時からG大阪の下部組織でやらせてもらい、この3年間は僕が(選手として)G大阪でやってきたこと、教えていただいたことをそのままやればよかった。元々は監督がやりたくて、G大阪では必要な経験はさせていただいた。次はステップアップ、次の段階にいかないといけない時期やと思う。

-G大阪下部組織では指導者として結果を出した。

大黒さん 22年に坂本一彩(20=J2岡山)、23年に南野遥海(19=J3宮崎)のFW2人が、ユースからトップチームに上がった(※ともにG大阪から今季は期限付き移籍)。そして、指導したユースの子たちが今年、日本クラブユース選手権で16年ぶりに優勝し、僕も貢献はできたと思う。

-今後の青写真は

大黒さん JFLもJ3もJ2も、僕の中では変わらない。ティアモ枚方で1年間やらせてもらい、その後は分からないが、G大阪に監督として戻れれば一番いいが、日本全国にいろんなチームがある。G大阪はJ1なので、コツコツ僕はやっていきたい。J3とかJ2とか、徐々にやっていければいい。(監督になるクラブの)地域性は全然関係ない。

-G大阪では西野監督、札幌では岡田監督という日本のレジェンド監督に指導を受けてきた

大黒 もちろん、それはそう。あと僕自身、いろんなサッカーを見ているし、いろんなところ(Jリーグ、フランス、イタリア、中国)でやっている。そういうのを足しながら、自分が勉強していることをやりながら、プレーモデルとか、自分がやりたいサッカーは結構あるので、やっていきたい。

-古巣G大阪への思いは

大黒さん (OBとして)見ていて、常に頑張ってほしいというのはある。僕ができることは、下(ユース)から選手を送り込むことはしたし、(下部組織出身の)中村仁郎、南野、坂本であったり、ああいう選手が頑張ってくれれば、G大阪も強くなっていくと思う。唐山翔自君(大黒さんと同じ大阪・豊中市生まれで、大黒2世と呼ばれたプロ4年目のFW)については、僕はトップのコーチじゃなかったから、あまり教えてはいけないと思っていた。まだ優しいというか、まだまだ頑張ってほしい。伸びしろはある。

-今回のイタリアでは3週間、パルマ、モンツァ、ジェノアで研修を受ける

大黒さん 自分が指導するいろんな練習のオーガナイズ(計画)であったり、試合への持って行き方とか、実際に現場でやる必要がある。現場でやって自分のものにして、現場の選手を見ながら変化させてできるぐらいにならないと、なかなか安定して勝ったりはできない。そのためにも、地道にやっていく。

-現役時代の派手な活躍とは違い、地道な作業へも強い信念を感じる

大黒さん そういう意味です、JFLでヘッドコーチをやらせてもらうというのは。だから本当に、今の僕に、ティアモ枚方は身の丈に合っているというか。やはり(監督就任へは)近道はないと思うんですよ。遠回りのようで僕は近道と思っているし、そういう順序を踏んでやっていきたい。選手であっても下積みが後々、大事やと思う。ぼちぼちやっていけば、そんなに焦る必要もないです(笑い)。

◆大黒将志(おおぐろ・まさし)1980年(昭55)5月4日、大阪・豊中市生まれ。G大阪ジュニア、ジュニアユース、ユースを経て99年トップチーム昇格。札幌への期限付き移籍を経て、05年G大阪のリーグ初優勝に貢献。グルノーブル(フランス2部)、トリノ(セリエA)、東京V、横浜など、のべ14クラブに在籍。J1通算204試合69得点、J2通算260試合108得点。日本代表として05年W杯アジア最終予選北朝鮮戦の後半ロスタイムに決勝点を奪い、愛称「大黒様」で人気爆発。06年W杯ドイツ大会出場など国際Aマッチ22試合5得点。21年1月に現役引退を発表した。178センチ、73キロ。

◆FCティアモ枚方 04年にG大阪の98年プロ同期生の新井場徹、播戸竜二、稲本潤一が共同オーナーとなって設立。現在は村島孝史氏が代表を務め、大阪の枚方、寝屋川、交野市を中心に活動。21年からJFLに昇格、23年に就任した二川孝広監督は、大黒さんのG大阪下部組織時代からの同期。チームは23年、全15チーム中で12位。