<J1:札幌0-4G大阪>◇第15節◇23日◇札幌ド

 G大阪MF遠藤保仁(32)が今季初ゴールで記録を塗り替えた。札幌戦前半35分、リーグ歴代1位となる通算16得点目の直接フリーキックを決めた。これで15シーズン連続ゴールとなり、これまで札幌のFW中山雅史(44)が持っていた記録に並びこちらも1位タイとなった。チームは大勝で7戦ぶりの勝利を飾った。今季初の完封勝ち。両足痛で今季不調だった遠藤の復活弾をはずみに次節、27日の名古屋戦での連勝を目指す。

 遠藤の右足が帰ってきた。前半16分、遠藤の左コーナーキックからのこぼれ球をFWパウリーニョが頭で押し込み先制点をお膳立てすると、同35分、遠藤が今季初ゴールとなる20メートルのフリーキックを、右足で壁の右横を低い弾道でカーブをかけて抜けていく技ありのゴールを右隅に決め、だめ押しの3点目を奪った。遠藤は「壁とキーパーの位置を見て決めた。狙い通りです。ようやく決められた。これから徐々にやっていきますよ」と初ゴールにホッとした表情を見せた。

 同ゴールはこれまで元日本代表のMF三浦淳宏(37)が持つ直接フリーキックでの通算得点記録15点を抜き歴代1位。札幌の中山の15シーズン連続得点記録にも並んだ。「長い期間(フリーキックを)蹴ってこなかったのでなかなか、うまくいかなかった。これから得点していきますよ」とさらなる記録更新を狙う。

 昨年夏から両ふくらはぎと太ももを痛めフリーキックの練習はおろか1月の合宿では走ることもできない状態で、開幕絶望とも言われていた。なんとか2月の日本代表戦までに間に合わせようと必死に努力してきたが、満足な状態にはならずこれまで苦しんできた。リーグでは16日の前節、浦和戦で途中出場した以外は全てフル出場。体を酷使してきた。この試合は後半28分に途中交代したが、松波正信監督(37)は「これからの連戦に向け温存しただけ。足は問題ないです」と話す。

 チームは試合前まで17位と低迷していた。4月22日のリーグ清水戦での勝利後、これまで勝利できずにいた。最近2試合の鳥栖、浦和戦では2戦連続で後半ロスタイムに逆転負けしていた。遠藤の活躍で7戦ぶりの勝利を4-0で快勝。守備陣もドローに終わった5月19日の横浜戦で完封はあるものの、完封勝利は今季初だ。

 遠藤は「今回はいいかたちで試合ができた。これを続けられれば。次の試合に向け準備をするだけです」。遠藤の復調とともにチームも上を目指す。【黒川智章】