今大会から新たに導入されたシステムで、大会第1号ゴールかと思われた得点が幻となった。

前半3分、FKの流れからエクアドルのFWエネル・バレンシア(フェネルバフチェ)が頭で先制弾を押し込んだ。しかし、オフサイドを感知する新システム「セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー」によって、この得点は取り消された。

この「セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー」は、公式球「アル・リフラ」の中心にチップが埋め込まれており、スタジアム内に設置された12台の高性能カメラが選手1人1人の位置を正確に確認。これによりAIがオフサイドと判断した場合は、ビデオ・マッチ・オフィシャル(VMO)のいるオペレーションルームへ連絡が入るシステムとなっている。VMOでも状況を確認し、オフサイドであればピッチ上の審判に伝える。AIと人的作業が組み合わさることでの「セミオート(半自動)」。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)には試合を止めるために時間がかかりすぎると批判があり、導入が決まった。

この試合での判定は、FKをカタールGKシーブとエクアドルのDFトレスが競り合った際、走り込んだFWエストラダの右足がオフサイドラインから出ていたことが対象となった。肉眼では判断が極めて難しい差を見極めていたことに、SNS上では「素晴らしい技術」「今までなら完全にゴール」という声があった一方で、「これまでならオフサイドじゃなくても、誰も文句を言わないのでは」「正確すぎてもめるかも」といったコメントも上がった。

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