【ドーハ(カタール)30日=栗田尚樹】日本代表DF吉田麻也キャプテン(34=シャルケ)が、0-1で敗れたコスタリカ戦について「あのシーンに関しては技術的なミス」と振り返った。0-0の後半36分。つなごうとした中で、蹴り上げたボールは中途半端となり、無情にも相手の得点シーンへとつながった。「判断が良くなかったことは間違いないです」と続けた。

FIFAワールドカップ(W杯)のグループEで、現在1勝1敗で2位の日本は、決勝トーナメント進出をかけて、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)から1勝1分けの首位スペインとの最終戦に臨む。吉田はプレミアリーグのレスター、ブンデスリーガのフライブルグ、ウニオン・ベルリンを引き合いに出し、やるべきことを徹底したチームの下、難敵に挑むと誓った。

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-コスタリカ戦の失点シーン。つなごうとした場面について、改めて思うことは

吉田 トライする、つなげる時は、つなぐってのは、このチームの前提である。クリアするにしても、クリアせずに1本、2本でもつなげたら、前線に出ていく時間だったり、休む時間、キープできる時間が高まる。ただ、あのシーンに関しては技術的なミスですし、同時にそれ以前に得点が入らなかったことによる焦りからの判断ミスであることには間違いない。ん~…。判断が良くなかったことは間違いないです。ただ、明日もプレスに来ると思う。かいくぐれるか、どれだけマイボール、相手に渡さない時間を確保できるか、大事になってくる。それはずっとやってきたこと。ドイツ戦も出来た時、出来なかった時もありますし、ボールを保持できる時間が長くなれば、なるほど、可能性は高くなる。

-後半の頭の入り方は良かった。明日、いい入りをするために、それを応用するか

吉田 事前の準備が大事になる。それは今日、徹底してやりましたし、プランを持ってやらないといけない。スペイン戦、五輪の時も攻めこんで入れられるチャンスがあった。やっぱり強い相手になれば、なるほど、その流れの時に、得点が取れるかどうか、すごく大事になってくる。間違いなく、チャンスは少なくなる。そこを生かすか、どうか大事になる。

-大きく見ると、コスタリカ戦よりもスペイン戦は、ドイツ戦に近い。ただ、ドイツとスペインも違う。改めて今のスペインをどう見ているか?

吉田 ドイツよりも、ボールを保持するのは、うまいなって思います。長年、形を持っていて、徹底してそれを貫いているし、その分、どこまでもつないでくる。そこを引っかけられたらチャンスになる。誰が出てくるか分からないけど、人によっては、ウイークになり得るポイントもあるかなって思っている。最終的にスタメンが発表された時に、もう1回、確認して、この選手のここを突いていこう、こういう特徴を抑えていこうというのは間違いなく出てくる。

-五輪は延長でやられた。90分は0-0。押し込まれていた。あれが、成功へのケーススタディーになるのか? 変えないといけないのか?

吉田 参考にはします。ボールを保持出来る時間も持たないといけない。そのために、どうするか、やっていますし、五輪のクオリティーとは、向こうも違うし、こっちも違う。そこのところで、勇気を持てるか、謙虚さのバランスのところ。見定めは間違っちゃだめ。

-無失点を長く出来るかがポイント?

吉田 失点をしないことは当たり前。それは、ドイツ-コスタリカにプレッシャーをかける意味でも大事になる。試合見ていても(スペインは)強度を保てない。同時にスペイン相手にプレスにいくチームも前半のプレスを維持できない。前線にフレッシュさをどれだけ、前に交代するか。

-昨日までは、五輪の時のように戦うか、そうではない戦い方をするのか分かれていた。どうまとめてきたか?

吉田 話はしています。選手ともテクニカルスタッフとも。そこはまとまっている。大事なことは100%コミットしないといけない。どこもそうですけど、やるべきことを愚直に、そのプランに沿って戦えるかどうか。レスターとか、フライブルグとか、ウニオン・ベルリンとか。能力的には、他のトップクラブとは違うとしても、やるべきことを徹底しているチームを崩すことは難しいと思うので。やっぱり、そういう形を自分たちがつくらないといけない。ドイツ戦はつくれたから、自分たちの良さが出せたんじゃないかなと思う。

-ドイツ戦はいい意味で、ピュアに戦えた。

吉田 状況的には引き分けの可能性もありますけど、限りなく勝ちを取っていかないといけない試合。はっきりしていて、いいのかな。他のリーグを見ても、どうなるか分からない。間違いない。最後まで何が起こるか分からない。いろんな可能性がある状態で戦わないといけないのが3戦目。時間が進むにつれて、戦い方も考えないといけない。そこのイメージトレーニングはすごくしているつもり。どういう風になろうが、やることに集中しているし、僕は常に気持ちはピュアです(笑い)

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