サッカー日本代表がFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の1次リーグでスペインを2-1と撃破した。2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた森保一監督(54)の続投が有力視される中、その監督人事は長期化する可能性が出ている。

前回の18年ロシア大会は、敗退直後に森保一コーチ(54)の監督昇格が決まったが、今回はW杯終了後まで人選がずれ込みそうだ。大会の開幕が異例の11月で、今後の新たな活動までスケジュールの余裕もある。大会後、田嶋幸三会長を中心に反町康治技術委員長ら数人で構成される選定会議で協議し、次期監督を決める。

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成績が影響する日本代表監督の人選は、大会後に本格着手する。ドイツに続き、スペインも破り、「死の組」E組を首位突破した。その森保監督の手腕は高く評価されており、続投が最有力ではある。だが日本協会は焦らず、大会後に次期監督を選定し、交渉する方針を固めている。

日本協会幹部は「前回は大会前から森保コーチを監督に昇格させるプランがあったから早めに決めることができた。西野監督の推薦もあった。でも今回は時間があるし、W杯の検証をじっくりした後に代表監督を決めても遅くはない」と話している。

W杯後、再び日本代表が動き出すのは来年3月。各国の動向などをにらんで親善試合を2試合組む予定だが、急いで人選を進める必要がない。今大会の初戦ドイツ戦で世界と真っ向勝負ができることを確認しただけに、時間をかけて試合の内容を検証し、4年後のW杯へ、最善の道を探っていく。

森保監督との契約は今大会終了時まで。日本協会幹部は「少なくとも森保監督には1か月はゆっくり休んでもらって、その間、続投してもらうか、契約延長しないかを考えればいい」。来年、国際Aマッチは何試合か組まれるが、直近の目標はカタールでのアジア杯。開催時期は未定だが、カタール側は24年1月の開催を望んでいる。監督選任のタイミングを遅らせても、調整時間は十分にある。

次回の26年W杯米国・カナダ・メキシコ大会は出場国が36から48になり、アジアの出場枠はこれまでの5・5から8・5に増えた。アジア予選敗退の不安がある程度除かれたこともあり、本大会で好成績を残すための人選に焦点を合わせることになる。

コスタリカ戦のように守ってカウンターを狙う相手を崩すアイデアや戦術を用いることも選定の条件だ。当然、下の年代を含め、長期プランで育成に関わってもらうことも必要。さらに大きなポイントは、選手を一枚岩に結束させることができるか。ここ一番の勝負どころで求心力が持てるかどうかとなる。

現段階で森保監督が最有力。セルティックのポステコグルー監督が次期監督候補の上位にいるが、今大会を指揮した他国の監督や他の日本人監督、Jクラブを指揮した経験のある外国人監督など、候補枠を広げ、選定を進めていく。

(ドーハ=盧載鎭)