日本代表のジョーカーは卒業。MF三笘薫(25)は、世界に通用するエースへ進化を遂げる。日本の切り札と言われた男は6日、涙のクロアチア戦から一夜明け、報道陣の前でエースになる決意を口にした。PK戦での失敗も胸に刻み、勝たせる男へと歩みを進める。

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三笘が鋭い目で、報道陣の前に現れた。クロアチア戦から一夜明け、その目にもう涙はなかった。「スタメンでチームを勝たせる存在になりたいと、より感じましたし。やっぱり、自分がチームを勝たせたと思える試合が全てないといけない。もっともっと、チームを引っ張る存在になりたいと思う」と言葉に力を込めた。

目指す未来像が見えた。

三笘 世界のトッププレーヤーは、1人で局面を打開して、決めきる力がある。そういうところを身につけて、守備も出来るようになって、走れるようになって、戦えるようになりたい。

初のW杯は全4試合で、途中出場。ドイツ戦では堂安の同点弾のきっかけとなるドリブルで魅了し、スペイン戦ではゴールラインを割ろうかという、1ミリの世界で左足から田中の決勝弾をアシスト。ただ、最後のクロアチア戦では自慢のドリブル突破が封じられた。「自分が行き切れれば。自分のミスが多かったし、相手が2人来ても振り切らないといけないところもありましたし」。PK戦では2番目のキッカーを務めたが、ゴール左へのシュートは阻まれた。「自分の力不足を感じた試合だった」。試合後は、おえつが止まらなかった。

忘れることはない。あのシーンを胸に刻み、さらなる進化を遂げる。「こういう負け方をした以上は、次の大会で借りを返さないといけない。あのシーンが必ずよぎる。その悔しさを持たないと、その悔しさを持ってやらないことが無責任かなと思いますね」とかみしめた。「代表でもチームを勝たせる存在にならなきゃいけない。W杯で活躍できる選手、ベスト8に導ける選手がいい選手だと思う」。日本のジョーカーは、真のエースへ進化する。【栗田尚樹】

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