22年ワールドカップ(W杯)カタール大会への出場をかけた大陸間プレーオフ(PO)取材のために、カタールのドーハに来ている。

12日夜にはW杯実行委員会主催のウエルカム・ディナーが開催され、各国メディアが映画の一場面のような雰囲気たっぷりの中東料理レストランへ集結。サッカー談議に花を咲かせた。

レストラン周辺で目についたのが、13日の大陸間POでわれらがアジアのオーストラリアと対戦する南米5位ペルーのサポーターたち。W杯切符をかけた1戦を翌日に控え、早くも盛り上がりを見せていた。

筆者がドーハを訪れるのは昨年10月に続いて2度目。前回はW杯で使用されるいくつかのスタジアムやスポーツ選手育成機関「アスパイア・アカデミー」を訪れた。今回はハリファ国際競技場に併設されている「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」を見学する機会を得た。

ハリファ国際競技場に併設されている「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」
ハリファ国際競技場に併設されている「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」

同博物館は4月にオープンした世界最大規模のスポーツ・ミュージアム。カタールだけでなく、世界中のあらゆる競技の道具やユニホーム、関連グッズが展示してある。ムハマド・アリのボクシンググラブ、マイケル・ジョーダンやペレのユニホーム&シューズ、ミハエル・シューマッハーが運転していた真っ赤なF1カーも見ることができた。

「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているムハマド・アリのグラブ
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているムハマド・アリのグラブ
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているマイケル・ジョーダンのユニホーム&シューズ
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているマイケル・ジョーダンのユニホーム&シューズ
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているペレのユニホーム&シューズ
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されているペレのユニホーム&シューズ

その中で個人的に印象に残ったのが大昔のサッカーボールだ。1888年(!)3月24日に行われたFA杯決勝で使用されたボールで、ウェストブロムが2-1でプレストン・ノースエンドに勝利したことが記されている。

134年前の選手たちはどのような気持ちでこのボールを追いかけていたのだろうか? 貴重なボールを眺めながら大昔に思いをはせた。あくまで想像だが、お金やスポンサーが幅を利かせる現代サッカーと違い、もっと単純に勝利だけを求めて、懸命にボールを蹴っていたのではないだろうか。

「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されている1888年FA杯決勝で使用されたボール
「3-2-1カタール・オリンピック&スポーツ博物館」に展示されている1888年FA杯決勝で使用されたボール

13日にはオーストラリア-ペルー、翌14日にはコスタリカ-ニュージーランドと、大陸間PO2試合が行われ、W杯出場全32カ国が出そろう。134年前の選手たちと同じ純粋な気持ちで(想像だが)、激しく、フェアに戦う姿が見られることを期待したい。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)