トーマス・リケッツ氏を中心とした米大リーグ・カブスのオーナー家・リケッツ家と、金融サービス会社シタデルの創業者ケネス・グリフィン氏がタッグを組み、サッカープレミアリーグ・チェルシー買収のための正式オファーを出すことになった。両者が投資グループを設立し、18日にオファーするという。

ニューヨークの投資銀行レイングループがチェルシー買収についての取りまとめ役として現在、オファーを募っている。もともとオファーの最終期限は15日に設定されていたが、英国政府がチェルシーのアブラモビッチ・オーナーに経済制裁を科したことで状況に不確実性が生まれたため、期限が18日に後ろ倒しされていた。

アブラモビッチ・オーナーが資産を凍結され、チェルシーは現在、チケットやグッズの販売等を禁じられ、クラブの売却もできなくなっている。だが政府関係者は、同オーナーに利益が入らない形での売却を可能にする新たなライセンスの発行に前向き。チェルシーの売却が実現する確率は高い。

リケッツ家は声明を発表。「カブスのオーナーであるリケッツ家は、投資グループを率いて、18日にチェルシーFC買収のための正式オファーを出すことを表明します」

「象徴的なスポーツチームを長年運営してきた者として、リケッツ家とそのパートナーは、ピッチ上での成功のために投資することの大事さを理解し、それと同時にクラブの伝統、ファン、コミュニティーをリスペクトしています」などとオファーについて説明した。

現時点で、大リーグ・ドジャースと米NBAレイカーズの共同オーナー、トッド・ボーリー氏がスイス人実業家ハンスユルグ・ビース氏と組んですでに正式オファーを出している。

不動産開発が本業の富豪で、歌手・女優のホリー・バランスを妻に持つ英国人のニック・キャンディー氏も18日までに正式オファーを出すと示唆している。

またサウジアラビアとは直接関係ないと言われる「サウジ・メディア・グループ」も27億ポンド(約4230億円)で正式オファーを出したと伝えられている。