サッカー元イングランド代表のスター選手デビッド・ベッカム氏(47)が、8日に死去した英国のエリザベス女王のひつぎが公開されているロンドン市内のウェストミンスター・ホールへと続く長蛇の一般弔問の列に、喪服姿で並んでいるのが目撃された。

英民間テレビ放送ネットワークITVによると、ベッカム氏はエリザベス女王に敬意を表するため16日午前2時に弔問の列に加わったという。米CNNによると、12時間以上並んだベッカム氏は、「ひざは大丈夫そうだ」と語っていたという。

ITVのインタビューでベッカム氏は「王室の大ファンとして育った」と弔問の理由について語り、「深夜2時なら行列が落ち着いて人が少なくなっていると思ったが、みんな同じことを考えていたみたいだ」と話していたという。「86歳の女性、90歳の紳士も並んで歩いています。誰もが女王陛下が私たちのためにしてくださったことを祝福するため、ここにいることを望んでいるのです」と語り、別れを惜しむ何万人もの人たちとともに夜を徹して並び、ひつぎとの対面を果たした。

行列に一緒に並んでいた一般市民がベッカム氏と一緒に撮影した自撮り写真もSNSに投稿されており、黒のフォーマルスーツに黒いネクタイと黒のハンチング帽を着用していることが確認できる。また、警備にあたる警察官と談笑する姿もパパラッチされている。

ベッカム氏は、訃報に際してインスタグラムに「私たち全員が今日どれほど打ちのめされているかは、女王が我が国と世界中の人々にとってどれほど重要な存在であったかを示しています。最後の日まで、尊厳と優雅さを持って国に尽くしました」と哀悼の意を投稿していた。

2003年にエリザベス女王から大英帝国勲章のオフィサー章(OBE)を授与されたベッカム氏は、後のインタビューで「人生で最も特別な瞬間だった」と振り返っていた。

ひつぎは国葬が行われる19日朝までウェストミンスター・ホールに安置され、一般弔問を受け付けている。国葬は隣接するウェストミンスター寺院にて執り行われる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)