【パリ=松本愛香通信員】MFの伊東純也(32)中村敬斗(24)とDF関根大輝(22)が所属するスタッド・ランスが、クラブ48年ぶりのファイナルに3人そろい踏みした。勝てば来季の欧州リーグ出場権を獲得できる舞台だったが、前半だけで3失点して完敗。伊東は前半、中村は後半途中までプレー、関根はフル出場した。

リーグ戦16位で2部メッスとの入れ替え戦に回り、その第1戦(21日)と第2戦(29日)の合間に行われたクープ・ドゥ・フランス決勝。日本の天皇杯に相当し、リーグ・アン(1部)のチームは9回戦から登場する全国大会の決勝に、ほぼ半世紀ぶりとなる1977年以来の進出をSランスは果たしていた。

さらに優勝ともなれば67年ぶりという中、序盤から劣勢を強いられた。前半15分、好機で攻め込んだ隙を突かれる。カウンターからFWブラッドリー・バルコラ(22=フランス)に中央を破られ、右足でゴール左に流し込まれた。これでとどまらず、わずか4分後。今度は右クロスを再びバルコラに押し込まれて、開始19分で2点を先行された。

欧州チャンピオンズリーグ(CL)のファイナル(31日=日本時間6月1日)にも駒を進めているパリ・サンジェルマンは、悲願の初優勝を狙う大一番のちょうど1週間前で、イタリア代表GKドンナルンマやジョージア代表FWクバラツヘリアの温存以外は、ほぼベストメンバー。ボールの7割超を握られて耐える展開の中、Sランスは左足首負傷から先発復帰した伊東のキープ、右の伊東から左の中村への長いアーリークロスなどでチャンスをうかがうが、ゴールに迫れなかった。

2失点後はGKイェバン・ディウフ主将(25)の好セーブでしのいでいたが、前半43分に3被弾目。バルコラの左クロスを右サイドバックのアクラフ・ハキミ(26)にダイレクトで蹴り込まれ、苦しい0-3で前半を折り返した。

Sランスは、後半開始から伊東を下げた。負傷していた左足首の影響か、絶対に2部への降格は避けたい入れ替え戦の第2戦も控えるためか、サポーターから「優勝より残留」との声も上がる中で〝温存〟が決断された。

攻撃の太い軸を失いながら、後半のSランスは辛抱し続けた。パリSGの背番号10FWウスマン・デンベレ(28=フランス)が中盤まで下がって鋭いスルーパスを連発。幾度となく守備網を切り裂かれたが、ペナルティーエリアでは粘り強く体を寄せて防いだ。

中村も後半途中に退いたが、残り10分を切っても攻めに出た。フル出場の関根がCKのキッカーを務め、直後にもクロスを送るなど、闘う姿勢は見せた。

後半はパリSGも無理はせずスコアレスだったものの、バルコラの前半だけでの2得点1アシストで勝利。7万7101人の前でリーグ王者が聖地スタッド・ド・フランスで大会2連覇を遂げ、自クラブが持つフランスカップの最多優勝記録を16回に伸ばした。国内2冠の勢いで、インテル・ミラノ(イタリア)との欧州CL決勝へ向かう。

Sランスの日本人3人は表彰式で、笑顔なく銀メダルを首にかけられた。それでも、欧州トップクラスのスピード感を体験したことを教訓に2部メッスを退けにいく。