バドミントン女子ダブルス決勝で、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)金メダルで世界ランク2位の高橋礼華(28)、松友美佐紀(26=日本ユニシス)組が同3位の陳清晨、賈一凡組(中国)に20-22、20-22で敗れた。1970年(昭45)の相沢マチ子、竹中悦子組以来となる48年ぶりの金メダルには届かなかったが、14年仁川大会に続く銀メダル。今大会の個人戦での日本勢最高成績と気を吐いた。

強烈なスマッシュで襲いかかる相手に対し、高橋・松友組はネットすれすれの低い展開に持ち込むクレバーな組み立て応酬した。2ゲームとも20オールから最後に突き放されての敗戦。だが、悔し涙はなかった。

「決勝戦らしく互いに良さを出した試合になった。自分たちのプレーを出し切ることができた」。高橋がそう言って胸を張れば、松友も「久しぶりに良い試合だった」とうなずいた。2人ともすがすがしい笑みを浮かべていた。

第1ゲーム、20-17とゲームポイントを握ってから消極的になり、5連続ポイントを許して22-20で失ったのが痛かった。しかし、序盤に4連続失点した第2ゲームも気落ちすることなく逆襲に転じた。読みも、ショットのコントロールも最高レベル。最後は突き放されたが、見応え満点の試合内容だった。

リオ五輪金メダル以降、燃え尽き症候群に苦しんできた。国際舞台では成績を維持したが、日本勢同士の試合で苦杯をなめることも増えた。7、8月の世界選手権では、初出場の松本麻佑&永原和可那(北都銀行)組に3回戦で敗退し、金メダルを獲得して喜ぶ新鋭ペアの陰で涙をのんだ。だが、「海外勢に強いのは私たち」(高橋)と語っていた通り、アジア大会でプライドを示した。

高橋は「(金メダルを取った)団体戦を含めて良い大会だった。大会を通していいプレーの方が多かったので満足している」と納得の表情。松友も「この悔しさを次につなげたい」と2年後の東京五輪を見据える。世界ランク9位以内に4ペアが入る日本勢。“タカマツ”がジャカルタで再び存在感を示した。