「阿部一二三に勝った女子」こと鍋倉那美(21=三井住友海上)が、フィリピン代表の渡辺聖未(22=早大)に勝利し、金メダルを獲得した。

日本勢の同階級の優勝は10年広州大会の上野順恵以来。

鍋倉は小学生の頃、同じ兵庫県出身で男子66キロ級世界王者の阿部一二三(21=日体大)を何度も投げ飛ばして勝利を収めていた。当時は「一二三」と呼び、柔道界では「阿部一二三に勝った女子」として広く知られている。「私がもっと頑張れば、柔道界が面白くなる。今は一二三選手の方が上だけど、私も一緒に世界選手権に出られるような選手になりたい」と話していた。

食生活の改善とウエートトレーニングの量を増やして肉体改造に励んだ。7月のグランプリ・ザグレブ大会では、4試合オール一本勝ちで2連覇を達成。調子も上向きだった。

9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表の田代未来(24=コマツ)を追う代表2番手。アジア大会で優勝してから「『田代さんにチャレンジ』『東京五輪にチャレンジ』と公言できるようになる」。アジア女王鍋倉が20年東京五輪に向けて、次は田代との勝負に挑む。