陸上男子100メートルの山県亮太(26=セイコー)が世界の王貞治氏(78)からの期待を授かった。6日、都内で行われた「服部真二 文化・スポーツ財団」が主催する「服部真二賞」の表彰式に出席。

プレゼンターの王氏から「ロンドン五輪、リオ五輪と戦い、東京五輪にチャレンジする。日頃から自分をコントロールし、鍛えて、スポーツマンとして求められるものを高めている。日頃の努力には頭が下がります。東京五輪で最高の競争、走りができるよう頑張ってください」と伝えられた。

世界記録となる通算868本の本塁打を放ったレジェンドから記念の盾を受け取った。服部真二特別賞に選ばれた山県は、少し恐縮しながら「王さんからプレゼントしてもらって本当にうれしく思います。9秒台、その先の世界へいけるように頑張っていきたい」と話した。今季はジャカルタ・アジア大会決勝では自己記録タイとなる10秒00を出した。ただ、わずかに大台突破へ足りず、記録への渇望は強くなった。

そして自身も世界に名をとどろかせるような存在となるべく、新たな挑戦をする。オフは12月に10日間、2~3月にかけて約1カ月間、米フロリダ州のIMGアカデミーで合宿をすると明かした。競技は違えどテニス錦織らが拠点とする場所。一流選手との交流にも期待を寄せる。「プロ意識について、(自身は)持っているようで持っていないと思う。本物のプロに聞くのは勉強になると思う」と話した。

近年は沖縄やオーストラリアなどで合宿を積んでいた。陸上界でもIMGアカデミーは過去に自己記録は9秒91で、アジア大会決勝でも敗れた蘇炳添(中国)らが練習していた地でもある。今までの練習をベースにしながらも、仲田トレーナーらと新たな場所での成長のヒントを探す。「9秒8に近づけていくためのチャレンジ。積み上げてきたこと、結果が出たことの自信はある。それは1つの成功体験として、また新しい技術的な収穫があればいい」と口にした。

来シーズン初戦も米国となる可能性もある。環境に手応えを得られれば今後、定期的な拠点とすることも視野に入れるという。

26歳。「若手とは言えない」と自分を評価する。ただ若手のように、どん欲な成長の意欲がある。