2区を快走した1年岸本の頑張りに、後続の先輩たちも応えた。初の箱根路、これを最後に陸上を引退する青学大の4区吉田祐也(4年)は1時間0分30秒の区間新記録。相沢晃(東洋大)が昨年記録した区間記録を24秒更新。今大会を最後に陸上を引退するが、4年間の悔しさを晴らす力走で競技人生の集大成を飾った。

3区の鈴木主将から1分21秒差の2位でたすきを受けると、平塚中継所から約13・8キロ地点で東京国際大の佐伯を捕らえた。後続を突き放し、17キロすぎからは区間新ペースの独走状態。小田原中継所では、待ち受ける5区飯田貴之(2年)へ笑顔でたすきリレーした。

箱根路には苦い記憶がある。2年生、3年生とアンカー選手の控えで、11番手の選手だった。練習はうそをつかないとひたすら走り込み、最終学年でようやく手にしたチャンスに応えた。「まさか自分が、と信じられない」と話し、原監督は「(吉田祐は)1番の練習量を誇るチームのかがみ。腐らずに良くやってくれた」とねぎらった。

山登り5区の飯田も続く。区間記録を達成した東洋大の2年宮下隼人に15秒及ばなかったものの、区間2位の1時間10分40秒。往路記録を5分以上更新する5時間21分16秒でゴールテープを切った。夏にかけ1000キロを超える走り込みと吉田祐に匹敵する練習量で、山上がりへの自信を得た。往路Vに「うれしい気持ちでいっぱい」と笑みがこぼれた。

往路2位国学院大に1分33秒、優勝候補だった4位東海大には3分以上の差。原監督は「ライバルは東海大。6区でどれだけ貯金を残すことができるかが鍵」。総合優勝へ油断はない。【平山連】